第三級アマチュア無線技士 CBT試験問題例題(法規 No.2) 問9 解説 秘密の保護
次の記述は、秘密の保護に関する電波法の規定である。[ ] 内に 入れるべき字句を下の番号から選べ。 何人も法律に別段の定めがある場合を除くほか、[ ] に対して 行われる無線通信を傍受してその存在若しくは内容を漏らし、又は これを窃用してはならない。
- 1. すべての相手方
- 2. すべての無線局
- 3. 総務大臣が告示する無線局
- 4. 特定の相手方 ✓ 正答
解説
この問題は、電波法第59条「秘密の保護」という非常に重要な条文に関する知識を問うものです。正解を導くための判断基準は「特定の相手方」という言葉が含まれているかどうかを暗記しているかに尽きます。
通信の秘密を守るためのルール
電波法第59条は、無線通信を利用するすべての人にとっての基本原則です。この条文では、誰でも自由に聞くことができる放送などを除き、特定の相手に向けて送られる通信を勝手に聞いたり、その内容を外部に漏らしたり、あるいは自分勝手に利用(窃用)することを禁じています。
法律の条文では「特定の相手方に対して行われる無線通信」という表現が使われています。これは、不特定多数に向けた放送や、そもそも傍受が想定されている通信ではなく、誰かと誰かがやり取りしている通信の内容を保護対象にしているためです。この「特定の相手方」という言葉は、アマチュア無線家として絶対に覚えておくべきキーワードです。
なぜこの知識が問われるのか
この問題には、アマチュア無線の免許を持つ者として「守秘義務」を正しく理解しているかを確認するという意図があります。
アマチュア無線運用中には、他局同士の交信を耳にすることが多々あります。その際、聞こえてきた内容を他人に話したり、SNSに書き込んだりすることは法律で厳しく禁じられています。無線機を操作して電波を受信する能力があるからこそ、その内容を個人のプライバシーとして尊重しなければならないという、アマチュア無線運用における倫理観の根幹を問うているのです。
実践の場面での考え方
この問題の思考プロセスはシンプルです。空欄補充問題として出題された際、「無線通信を傍受してはいけない」というルールの対象が「すべての無線局」ではなく、「特定の相手方」に向けられた通信であるという定義を反射的に選べるようにしておきます。
実際の運用現場では、「この内容をSNSに載せてもいいかな?」と迷った瞬間に、この条文を思い出してください。相手が特定の誰かに向けて話していることであれば、たとえ自分に向けられた通信でなくても、それを公開することは電波法違反になる可能性が高いと判断できます。この知識は、法を守りつつ安全に無線運用を楽しむための最も基本的な防御線となります。