第三級アマチュア無線技士 CBT試験問題例題(工学 No.1) 問22 解説 BFOの役割
電信用受信機のBFO(ビート周波数発振器)の説明で、正しいのは次のうちどれか。
- 1. 受信信号を可聴周波数信号に変換するための回路である。 ✓ 正答
- 2. 水晶発振器を用いた周波数安定回路である。
- 3. ダブルスーパーヘテロダイン方式の第二局部発振器の回路である。
- 4. 出力側から出る雑音を少なくする回路である。
解説
BFOは「CW(電信)を受信して音にするための発振器」と暗記しましょう。CW信号は搬送波を断続させるだけの信号であり、そのままではスピーカーから音として聞こえません。受信機の内部でBFOが「電波より少しだけ周波数がずれた信号」を作り出し、それを掛け合わせることで「ビート(うなり)」を生じさせ、人間の耳に聞こえる可聴周波数に変換する、これが正解の判断根拠です。
CW受信とビートの仕組み
通常、ラジオ放送(AM)などは搬送波に音声信号が重畳されていますが、CW(モールス信号)は搬送波そのものをON/OFFするだけです。そのため、受信した信号を検波器に通しても、ただの直流の変化として扱われ、そのままでは音になりません。
ここで登場するのがBFO(Beat Frequency Oscillator:ビート周波数発振器)です。受信機の中で、受信した信号とBFOが作り出した信号を混ぜ合わせると、その周波数差が「ビート」として現れます。例えば、受信信号が7MHz(7,000,000Hz)で、BFOが7,001,000Hzで発振していれば、その差である1,000Hz(1kHz)の音がスピーカーから鳴ることになります。これが電信を「ピープー」という音として聞き取る仕組みです。
選択肢の検討と誤答のポイント
・選択肢1:正解です。電信信号はBFOによって可聴周波数(耳で聞こえる音)に変換されます。 ・選択肢2:BFOに水晶発振器を使うこともありますが、これはBFOの「役割」を説明する選択肢ではありません。 ・選択肢3:ダブルスーパーヘテロダイン方式において、第二局部発振器は周波数変換(中間周波数の生成)のために使われます。BFOは検波段で働くものであり、役割が異なります。 ・選択肢4:雑音を減らす回路は「ノイズブランカー」や「雑音制限器」などであり、BFOの目的とは無関係です。
試験対策としての考え方
この問題は「BFO=電信(CW)の音出し」というキーワードのセットで覚えるのが最も効率的です。アマチュア無線の試験では、装置の名称と役割を問う問題が頻出します。特に「〇〇は××するための回路である」という形式の選択肢では、その回路の核心となる機能さえ押さえていれば、他の選択肢に迷わされることはありません。
実際に役立つ知識
アマチュア無線でCWの運用を行う際、このBFOの周波数を微調整することで、自分にとって聞き取りやすい音の高さ(トーン)に変えることができます。また、近接した周波数に別の信号がある場合、BFOの周波数を少しずらすことで、目的の信号だけをクリアに聞くといった「混信除去」的なテクニックにも応用されます。無線の運用において、自分が今どの信号をどうやって音にしているのかという仕組みを理解しておくことは、より快適な交信環境を作るための第一歩となります。