第三級アマチュア無線技士 CBT試験問題例題(工学 No.1) 問29 解説 整流回路
図に示す整流回路において、その名称と出力側a点の電圧の極性との組合せで、正しいのは次のうちどれか。
- 1. 半波整流回路、負
- 2. 半波整流回路、正
- 3. 全波整流回路、負
- 4. 全波整流回路、正 ✓ 正答
解説
この問題は、図の回路が「全波整流」か「半波整流」かを見抜き、さらにダイオードの向きから出力電圧が「正」か「負」かを判断することで解けます。
- 回路図に「センタータップ(トランスの巻き線の中間点)」があり、ダイオードが2個使われている場合は全波整流回路です。
- ダイオードの三角形の先端(カソード側)がa点に向いているため、a点はプラスの電位になります。
以上のことから、正解は「全波整流回路、正」となります。
整流回路の仕組みと見分け方
整流とは、交流(AC)を直流(DC)に変換することです。この回路はセンタータップ付きのトランスを使用しており、トランスの上下から交互に電流を取り出し、2つのダイオードを使って常に同じ方向に電流を流すように工夫されています。このように交流のプラス側だけでなくマイナス側も有効活用して直流を作るのが全波整流の特徴です。
これに対して、ダイオードが1つだけで交流の片側半分をカットしてしまう回路は半波整流と呼ばれます。図をパッと見て、トランスの真ん中から線が出ていてダイオードがペアで配置されていれば「全波」であると記憶しておきましょう。
極性の判断プロセス
出力電圧の極性を決めるのはダイオードの向きです。ダイオードの記号は三角形の矢印が電流の流れる方向を表しています。
- 矢印の先端が外側(出力端子a側)を向いていれば、プラスの電荷が流れ込むため、a点は正(プラス)になります。
- 逆に、矢印の根元が出力側を向いていれば、マイナスの電圧が取り出されることになります。
今回の図では、2つのダイオードの先端がいずれもa点に向かって収束しているため、整流された電流は常にa点に対してプラス極性として出力されます。もしダイオードの向きが逆であれば、負の電圧が出力される回路に変わります。
実践的な知識としての重要性
アマチュア無線の無線機や電源装置において、この整流回路の知識は非常に重要です。私たちが普段使っているコンセントの交流(100V)を、無線機を動かすための安定した直流電圧に変換する際、必ずこの整流回路が使われるからです。
特に全波整流は、半波整流に比べてリプル(脈流のうねり)が少なく、平滑回路(コンデンサなど)を通した際に効率よく直流を得られるという利点があります。自作の電源装置を作ったり、古い無線機の回路図を読んだりする際、どの箇所が整流回路で、どのような極性が出力されているかを確認することは、故障の診断や改造において欠かせないスキルとなります。