第三級アマチュア無線技士 CBT試験問題例題(工学 No.2) 問20 解説 変調度の計算
図は、単一正弦波で振幅変調した波形をオシロスコープで測定したものである。変調度は幾らか。
- 1. 75 [%]
- 2. 60 [%] ✓ 正答
- 3. 40 [%]
- 4. 25 [%]
解説
この問題は、振幅変調(AM)波の波形から「変調度」を求める定番の計算問題です。試験でこの図が出たら、最大振幅をA、最小振幅をBとして以下の式に当てはめるだけで正解にたどり着けます。
変調度 m は次の式で求められます。
図から読み取れる値は、最大振幅 A = 40 [V]、最小振幅 B = 10 [V] です。これらを式に代入すると、 パーセント表記にするため100を掛けると、60 [%] となります。
変調度を定義する意味
振幅変調とは、搬送波(高周波)の振幅を、送りたい信号(音声など)に合わせて変化させる方式です。変調度とは「どれくらい深く振幅を変化させているか」を示す指標です。
変調度が 100 [%] を超えると、振幅がゼロを超えて反転し、信号がひずんでしまう(過変調)という現象が起こります。そのため、適正な変調度を保つことは、クリアな通信を行う上で非常に重要です。この計算式は、無線機の性能確認や、送信機の調整を行う際に用いられる基本的な指標となっています。
波形から値を読み解くステップ
この問題を解く際の思考プロセスはシンプルです。
- オシロスコープの図から、最も大きい波の山の頂点と底の差(最大振幅 A)を確認する。
- 同様に、最も小さい谷の部分の頂点と底の差(最小振幅 B)を確認する。
- 差分(A - B)を和(A + B)で割る。
このとき注意すべき点は、AとBが波の中心(0V)から片側への高さなのか、それとも山から谷までの全幅なのかを確認することです。今回の問題では、図の矢印が「山の頂点から谷の底まで」を指しているため、このままAとBの値として計算に使用します。
無線工学の現場での活用
実際の無線通信の現場では、変調度計を使ってリアルタイムに変調度を監視します。例えば、マイクに向かって大きな声で話した際に、この変調度が100 [%] を超えないように調整しなければなりません。もし変調度が大きすぎると、受信側の音声が割れてしまったり、不必要な電波の広がり(スプリアス)を発生させて周囲の局に迷惑をかけてしまう可能性があります。
アマチュア無線の試験問題として出題されるのは、こうした「きれいな電波を出すための管理能力」を問うという教育的意図があるからです。波形を見て正しく状態を把握できる力は、運用者としてのマナーを守る上でも不可欠な知識です。