第三級アマチュア無線技士 CBT試験問題例題(工学 No.2) 問28 解説 雑音と周波数帯
空電による雑音妨害を、最も受けやすい周波数帯は、次のうちどれか。
- 1. マイクロ波(SHF)帯
- 2. 極超短波(UHF)帯
- 3. 超短波(VHF)帯
- 4. 短波(HF)帯以下 ✓ 正答
解説
空電と周波数の関係を一言でいうと
空電(雷などによる電波の乱れ)は周波数が低いほど影響を受けやすく、周波数が高いほど影響を受けにくいという性質があります。そのため、選択肢の中で最も周波数が低い「短波(HF)帯以下」が正解となります。
なぜ周波数が低いと空電の影響を受けるのか
空電とは、雷放電などの自然現象によって発生する電磁波です。この電磁波は、主に非常に低い周波数(長波や中波、短波など)の成分を多く含んでいます。
電波の伝わり方の観点から見ると、低い周波数の電波は地球の表面や電離層で反射しながら地球をぐるりと回る性質があります。空電によって発生したエネルギーもこれと同じ経路を通って遠くまで届いてしまうため、低い周波数帯を使う無線機にとっては、ノイズ(ザーザーという雑音)として混入しやすくなります。
一方で、VHF(超短波)やUHF(極超短波)、SHF(マイクロ波)といった高い周波数は、雷が発生するような気象現象の影響を電波そのものが受けにくいうえに、見通し距離通信が主となるため、遠方で発生した空電の影響が届きにくいという特徴があります。
試験問題を解くための思考のコツ
この問題を解くときは、周波数の高さと電波の性質を対比させるのが近道です。
- 周波数が高い(VHF, UHF, SHF)= 直進性が強く、見通し範囲で通信する。ノイズの影響を受けにくい。
- 周波数が低い(HF以下)= 地球の裏側まで届くような性質がある。空電のようなノイズも一緒に拾いやすい。
このように整理しておくと、迷わずに選ぶことができます。試験では「HF帯以下」という言葉が出てきたら、「雷のノイズを拾いやすいんだな」と連想できるようにしておきましょう。
実際の運用現場における空電
アマチュア無線家が実際に短波帯(HF帯)で通信を行う際、夏場には特にこの空電の影響を強く感じます。遠くの国と交信しようとチューニングを合わせていると、空から響くような「バリバリ」「ガサガサ」という音を耳にすることがありますが、これがまさに空電です。
この知識を知っていると、無線機から異常なノイズが聞こえてきたときに「今、どこかで雷が鳴っているのかな?それとも自分のアンテナの故障かな?」といった判断が可能になります。無線機を操作する上で、受信した信号が「自分たち人間が作ったノイズ(電気機器のノイズなど)」なのか、「地球そのものが発しているノイズ(空電)」なのかを区別する感覚を養うことは、非常に重要なスキルといえます。