第三級アマチュア無線技士 CBT試験問題例題(工学 No.2) 問29 解説 変圧器の巻数比
二次側コイルの巻数が10回の電源変圧器において、一次側にAC100[V]を加えたところ二次側に5[V]の電圧が現れた。この電源変圧器の一次側コイルの巻数は幾らか。
- 1. 20回
- 2. 50回
- 3. 100回
- 4. 200回 ✓ 正答
解説
比例関係で解く変圧器の計算
変圧器の巻数と電圧の間には「巻数比と電圧比は等しい」という法則があります。この問題は、以下の手順で算出します。
- 二次側の巻数(N2)に対する一次側の巻数(N1)の比率を考える。
- 電圧の比率(V1 / V2)を計算する。
- 一次側の巻数 = 二次側の巻数 × 電圧比 で求める。
今回の数値を当てはめると、 となり、正解は4の200回です。
変圧器の仕組みと巻数比の考え方
変圧器(トランス)は、電磁誘導という現象を利用して、交流電圧の大きさを変換する装置です。変圧器の一次側コイルに電流を流すと、鉄心を通じて二次側コイルに電圧が誘起されます。このとき、発生する電圧の大きさは、コイルを巻いた回数(巻数)に比例します。
数式で表すと という関係が成り立ちます。ここで、N1とV1は一次側の巻数と電圧、N2とV2は二次側の巻数と電圧です。この式を求める値であるN1について整理すると、 となります。
直感的な解法のステップ
試験本番では、複雑な公式を暗記すること以上に、比率の感覚を掴むことが重要です。
まず、電圧が100Vから5Vに下がっていることに注目します。これは電圧が「20分の1」になっていることを意味します(100÷5=20)。変圧器の性質上、電圧が20分の1になれば、巻数も同じく20分の1でなければなりません。
逆算して、二次側の巻数10回を20倍すれば一次側の巻数が出てくる、と考えるのが最も速く確実なプロセスです。10回 × 20 = 200回となります。
実務における変圧器の役割
アマチュア無線機を運用する際、家庭用コンセントのAC100Vを、無線機が動作するDC12VやDC13.8Vに変換する必要があります。この過程で、まず変圧器を使って100Vを低い交流電圧に変換し、その後で整流回路を用いて直流に変換します。
この問題のように「巻数を変えることで電圧を自在に操る」という知識は、電源回路の設計やトラブルシューティングの基礎となります。無線機が正常に動作しない原因が電源回路にある場合、変圧器が設計通りの比率で電圧を出力しているかを確認することは、保守管理における重要なスキルの一つです。