第三級アマチュア無線技士 CBT試験問題例題(工学 No.2) 問30 解説 交流の定義
次の記述の[ ] 内に入れるべき字句の組合せで、正しいのはどれか。 (1) 電源回路で、交流入力電圧100[V]、交流入力電流2[A]というとき、これらの大きさは、一般に [ A ] を表す。 (2) 交流の瞬時値のうちで最も大きな値を最大値といい、正弦交流では、平均値は最大値の [ B ] 倍になり、実効値は最大値の [ C ] 倍になる。
- 1. 実効値 1/√2 2/π
- 2. 実効値 2/π 1/√2 ✓ 正答
- 3. 平均値 1/√2 2/π
- 4. 平均値 2/π 1/√2
解説
この問題は、交流の大きさを表す3つの指標(実効値、最大値、平均値)の定義と、それらの関係式を正しく暗記しているかを問うものです。「交流といえば実効値」「最大値との倍率」という2つのポイントに着目して選択肢を絞り込みます。
交流の大きさを表す指標の基礎知識
私たちが普段コンセントから得ている交流100Vという値は、実は「実効値」です。交流は常に値が変化しているため、どのタイミングの値をとるかによって数値が変わってしまいます。そこで、直流電流が抵抗で消費する電力と同じ電力を消費するような直流の値を換算して用いることにしており、これを実効値と呼びます。
正弦波交流においては、最大値に対して以下の定数倍となる関係があります。
- 平均値:最大値の 倍(約0.637倍)
- 実効値:最大値の 倍(約0.707倍)
選択肢の判断プロセス
まず空欄(1)に注目します。電源回路などの一般的な電気製品の仕様で使われるのは実効値です。したがって、選択肢の候補は1か2に絞られます。
次に空欄(2)で、平均値と実効値の倍率を確認します。 平均値は で、実効値は です。 これらを順番通りに当てはめると、Aには「実効値」、Bには「」、Cには「」が入ります。
この照合により、2番が正解であると確定できます。
なぜこの知識が無線工学で重要なのか
アマチュア無線の試験においてこの知識が必要とされる理由は、送信機や電源回路を設計・運用する際に、電圧の変動を正しく把握する必要があるからです。
例えば、整流回路(交流を直流に変換する回路)でコンデンサを充電する場合、直流の電圧値は、整流後の交流の「最大値」近くまで達します。回路の耐圧(部品が壊れない限界の電圧)を選定する際には、実効値ではなく最大値を基準に考えなければなりません。このように、電圧の指標を正確に使い分けることは、無線機器を安全に運用するための基礎となります。