第三級アマチュア無線技士 CBT試験問題例題(工学 No.3) 問18 解説 FETとトランジスタ
次の記述の [ ] 内に入れるべき字句の組合せで、正しいのはどれか。 電界効果トランジスタ(FET)の電極名をトランジスタ(バイポーラトランジスタ)の電極名に対比させると、コレクタは [ A ] に、エミッタは [ B ] に、ベースは [ C ] に相当する。
- 1. ドレイン ソース ゲート ✓ 正答
- 2. ソース ドレイン ゲート
- 3. ドレイン ゲート ソース
- 4. ゲート ソース ドレイン
解説
この問題は、バイポーラトランジスタと電界効果トランジスタ(FET)という、電子回路で最も基本的な2つの素子の電極対応を暗記しているかを問うものです。「C-B-E(コレクタ・ベース・エミッタ)」と「D-G-S(ドレイン・ゲート・ソース)」の対応関係をセットで覚えるのが最短の攻略法です。
役割で理解する電極の対応
バイポーラトランジスタとFETは、構造や動作原理は異なりますが、回路図上では同じような役割を担います。それぞれの役割を比較することで、なぜこの対応になるのかが見えてきます。
バイポーラトランジスタのコレクタ、エミッタ、ベースは以下のような働きをします。 ・コレクタ:電流の出口(電流を収集する) ・エミッタ:電流の供給源(電流を放出する) ・ベース:電流の流れを制御する端子
一方、FETのドレイン、ソース、ゲートは以下の働きをします。 ・ドレイン:電流の出口(電流を排出する) ・ソース:電流の供給源(電流の源) ・ゲート:電圧によって電流の流れを制御する端子
これらを比較すると、電流の出力側である「コレクタ」と「ドレイン」、電流の供給側である「エミッタ」と「ソース」、そして制御端子である「ベース」と「ゲート」が、それぞれ対応していることがわかります。
覚え方のヒント
アルファベットの頭文字や、電位の高さで覚える方法も有効です。
・C(コレクタ)とD(ドレイン)は、どちらも電源電圧に近い高い電位になることが多い端子です。 ・E(エミッタ)とS(ソース)は、どちらも接地(GND)に近い低い電位になることが多い端子です。 ・B(ベース)とG(ゲート)は、どちらも入力信号を加えて制御を行う端子です。
このように「出力側」「入力・制御側」「共通(または供給)側」といったグループ分けで意識すると、混同を防ぐことができます。
無線機器の回路設計における重要性
この知識は、単なる試験用の暗記ではなく、無線機を修理したり自作したりする際に不可欠な基礎となります。例えば、古い無線機に使われているバイポーラトランジスタを、現在入手しやすいFETに置き換える(代替部品を探す)といった場面では、どの端子を基板のどのパターンに接続すべきかを判断する知識となります。
また、電子回路図を読み解く際にも、素子の役割が直感的に理解できるようになります。FETはゲートに電圧を加えるだけで電流を制御できるため、バイポーラトランジスタよりも入力インピーダンスが高く、高周波増幅器など多くの無線機器の回路で活用されています。この電極の対応を理解しておくことは、無線工学の知識を一段上のレベルへ引き上げる第一歩となります。