第三級アマチュア無線技士 / 第三級アマチュア無線技士 CBT試験問題例題(工学 No.3) / 各問題解説 / 問21
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第三級アマチュア無線技士 CBT試験問題例題(工学 No.3) 問21 解説 RTTYの記述

無線印刷電信(RTTY)についての記述で、誤っているのは次のどれか。

  1. 1. 通信速度は「ボー」を用いる。
  2. 2. 「ひらがな」は送受信できない。
  3. 3. マーク信号とスペース信号が、同時に発射されることはない。
  4. 4. 周波数偏移(シフト幅)は一般に 270〔Hz〕である。 ✓ 正答

解説

この問題は、RTTY(無線印刷電信)の規格に関する知識を問うものです。正解を導くには、アマチュア無線のRTTYで標準的に使われる周波数偏移(シフト幅)の数値を記憶しているかどうかが鍵となります。

RTTYの基本ルールとシフト幅

RTTYは「Radio Teletype」の略称で、キーボードから入力した文字情報を電波で送り、相手側のプリンタや画面に文字として表示させる通信方式です。この通信では、2つの異なる周波数を切り替えて信号を送ります。高い周波数をマーク信号、低い周波数をスペース信号と呼び、この2つの周波数の差を「周波数偏移(シフト幅)」といいます。

アマチュア無線の世界では、長年の慣習により、このシフト幅として170 Hzが最も一般的に用いられています。かつては850 Hzや425 Hzといった広い幅が使われていた時期もありますが、現在のデジタル通信環境においては狭い幅の方が効率が良いため、170 Hzが事実上の標準となっています。選択肢4にある270 Hzは、現在の一般的なアマチュア無線のRTTY運用の設定には存在しない数値です。

誤りの選択肢を見抜く思考

試験問題では、このように「よく似た数値」を差し替えて誤りを作ることがよくあります。この問題を解く際の思考プロセスは以下の通りです。

  1. 選択肢1:RTTYの通信速度の単位はボー(baud)です。これは正しい知識です。
  2. 選択肢2:RTTYは伝統的な通信方式であり、使用する文字コード(Baudotコードなど)の関係上、英大文字と数字、記号が中心で「ひらがな」は定義されていません。これも正しい記述です。
  3. 選択肢3:マークとスペースは周波数を切り替えることで表現するため、同時に両方が発射されることはありません。これも正しい記述です。
  4. 選択肢4:シフト幅は「170 Hz」とセットで覚えておくべき重要項目です。270 Hzという数字を見た瞬間に「これは誤りだ」と判断します。

このように、消去法を用いるよりも、特定の数値やルールを知識として定着させておくことが、試験時間を短縮し、確実な正解を導くための近道となります。

デジタルモード通信の現状

アマチュア無線におけるRTTYは、いわゆる「デジタルモード」の先駆けともいえる古典的な方式です。現在の無線局運用では、RTTY以外にもFT8やJS8のような、より低ノイズで高速な通信が可能なデジタル方式が主流となっています。しかし、RTTYは伝統的な手法として現在も多くのベテランアマチュア無線家に親しまれており、コンテストでも頻繁に使用されています。

この問題を学ぶ意図は、単に数値を暗記することだけではありません。無線通信において、通信相手と同じプロトコル(手順や設定)を合わせないと通信が成立しないという、デジタル通信の根本的な構造を理解することにあります。シフト幅の設定が少しでもずれていれば、受信側では意味不明な文字列しか表示されません。規格を理解し、正しく設定を行うことは、無線技術士として最も基礎的かつ重要な素養といえます。

参考リンク

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