第四級アマチュア無線技士 CBT試験問題例題(法規 No.1) 問11 解説 さようならの送信
無線電話通信において、「さようなら」を送信することになっている場合は、次のどれか。
- 1. 無線機器の試験又は調整を終わったとき。
- 2. 通報を確実に受信したとき。
- 3. 通報の送信を終了したとき。
- 4. 通信が終了したとき。 ✓ 正答
解説
無線電話による通信において、お互いのやり取りがすべて完了し、交信を完全に終了する合図として「さようなら」を送信します。したがって、通信のライフサイクルにおける最終段階を示す「通信が終了したとき」を選択するのが正しい判断です。
無線電話通信における終了のルール
日本の電波法に基づく無線局運用規則第128条では、簡易な無線電話通信の終末連絡について規定しています。これによると、通信の終りには「さようなら」を送信することと定められています。
これは、アマチュア無線に限らず、漁業無線や簡易無線など、音声でやり取りを行う無線電話通信全般に共通する法的な基本ルールです。
段階的な通信の流れから正解を導く
無線通信は、呼び出し、応答、本文の送受信、そして終了という一定の手順に沿って進められます。選択肢に挙げられている各状況が、通信のどのステップに該当するかを整理すると、正解が自然に浮かび上がります。
まず、無線機器の試験又は調整を終わったときは、試験電波の発射を終える合図(一般に「試験終わり」など)を送ります。
次に、通報を確実に受信したときは、相手からのメッセージを間違いなく受け取ったことを示す「了解」などを送信します。この段階ではまだ通信自体は終わっていません。
そして、通報の送信を終了したときは、自分の話したい用件を話し終えた段階です。このときは相手に送信権を渡すために「どうぞ」を送信します。お互いの情報交換はまだ継続するため、ここで通信を終了させるわけにはいきません。
最後に、双方がすべての用件を終え、これ以上送信することがなくなった状態、すなわち通信が終了したときになって初めて、お互いに「さようなら」を送信して回線を閉じます。
実社会における運用の意義と教育的意図
実際の日常会話での「さようなら」は単なる挨拶ですが、無線通信における「さようなら」は、周波数の占有を解く(チャンネルを開放する)という実務上極めて重要な合図としての役割を持っています。
アマチュア無線の世界では、同じ周波数を多くの局が共有して利用します。ある2つの局が交信している間、他の局はその周波数を使わずに待機(ワッチ)しています。通信の最後に「さようなら」が送信されることで、周囲で待機していた他の無線局は「この周波数は空いたので、自分たちが使っても大丈夫だ」とクリアに判断することができます。
実際の交信では、日本語の「さようなら」の代わりに、世界共通のコードである「73(セブンティスリー:さようなら、気配りを送るの意味)」が使われることが一般的ですが、法規の基本としての精神はまったく同じです。電波という限られた資源を、お互いに譲り合って効率的に利用するためのマナーとルールが、この問いに込められています。