第四級アマチュア無線技士 / 第四級アマチュア無線技士 CBT試験問題例題(法規 No.3) / 各問題解説 / 問3
certification-simodake-work

第四級アマチュア無線技士 CBT試験問題例題(法規 No.3) 問3 解説 電波の型式の記号

単一チャネルのアナログ信号で振幅変調した抑 圧搬送波による単側波帯の電話の電波の型式を 表示する記号は、次のどれか。

  1. 1. A3E
  2. 2. H3E
  3. 3. J3E ✓ 正答
  4. 4. R3E

解説

問題文のキーワードである「抑圧搬送波による単側波帯」、「単一チャネルのアナログ信号」、「電話」に対応する記号を、電波の型式を表す3つの規則(1文字目:変調方式、2文字目:信号の性質、3文字目:情報の型式)に当てはめることで解くことができます。

抑圧搬送波単側波帯は「J」、単一チャネルのアナログ信号は「3」、電話は「E」となるため、これらを組み合わせた「J3E」が正解です。

3文字の記号が表す電波のプロフィール

電波の型式を表す3文字の記号は、電波法によって世界共通のルールが定められています。それぞれの位置がどのような電波の特徴を表しているかを整理しましょう。

第1文字:主搬送波の変調の形式

電波をどのように変調(変化)させて情報を載せているかを表します。

  • A:両側波帯(一般的なAMラジオなど)
  • H:全搬送波単側波帯(AM用の受信機でも受信できるように搬送波を残したSSB)
  • R:低減搬送波単側波帯(搬送波を少しだけ残したSSB)
  • J:抑圧搬送波単側波帯(搬送波を完全に消し去ったSSB)
  • F:周波数変調(FM)

第2文字:主搬送波を変調する信号の性質

送る信号(変調信号)がどのような性質のものかを表します。

  • 1:変調用副搬送波を使用しないデジタル信号の単一チャネル
  • 2:変調用副搬送波を使用するデジタル信号の単一チャネル
  • 3:アナログ信号の単一チャネル

第3文字:送信される情報の型式

最終的にどのような情報(音声、データ、画像など)として出力されるかを表します。

  • A:電信(聴覚受信目的。モールス符号など)
  • B:電信(自動受信目的)
  • E:電話(音声の伝送)
  • F:テレビジョン(映像の伝送)

キーワードを1文字ずつ当てはめるプロセス

問題文には、解答への直接的なヒントとなる3つのキーワードが含まれています。これらを順番に記号へ翻訳していきます。

ステップ1:変調方式の特定

問題文に「抑圧搬送波による単側波帯」とあります。これは、元の搬送波(キャリア)を完全にカットし、片側の側波帯(シングル・サイド・バンド:SSB)だけを送信する方式です。この変調方式に対応する第1文字は「J」です。

ステップ2:信号の性質の特定

問題文に「単一チャネルのアナログ信号」とあります。これはマイクからの音声などのアナログ信号を1系統だけ送ることを意味します。この性質に対応する第2文字は「3」です。

ステップ3:情報の型式の特定

問題文の最後に「電話」とあります。無線通信における電話とは、音声をリアルタイムで送受信する通信のことです。電話に対応する第3文字は「E」です。

これら3つのステップを組み合わせることで、「J」「3」「E」となり、迷うことなく「J3E」を導き出すことができます。 他の選択肢であるA3E(両側波帯の電話)、H3E(全搬送波単側波帯の電話)、R3E(低減搬送波単側波帯の電話)は、いずれも1文字目の変調方式が異なるため、問題文の「抑圧搬送波」という条件に合致しません。

効率的な通信を実現するSSBの技術的意義

第四級アマチュア無線技士の試験において、このJ3Eという型式は非常に重要視されています。なぜなら、J3E(通称SSB)は、アマチュア無線の短波(HF)帯における音声通信で最も標準的に使われている方式だからです。

従来のAM(A3E)は、情報を送るために中心となる「搬送波」と、左右対称の「側波帯」の2つ、合計3つの要素を送信していました。しかし、実際に音声を伝える情報は側波帯にしか含まれておらず、搬送波そのものは電力を多く消費する割に情報を持ちません。さらに、左右の側波帯は同じ情報を含んでいるため、片方だけでも通信は成り立ちます。

そこで、無駄な搬送波を完全に消し去り(抑圧し)、片方の側波帯だけを送信するようにしたのがJ3Eです。この仕組みにより、以下の大きなメリットが生まれます。

  • 送信機のパワーをすべて音声信号に集中できるため、AMと比べて遠くまで電波が届きやすくなる。
  • 電波が占有する周波数の幅(帯域幅)がAMの約半分で済むため、限られた電波の周波数を多くの人で分け合って使える。

このように、J3Eは非常に省エネルギーで効率の良い優れた通信方式です。無線従事者として、電波資源を賢く、効率的に利用するための基本技術を理解しているかを問うために、この問題が出題されています。実際の運用においても、マイクを握って短波帯で世界中の無線家と交信する際は、このJ3Eのモードを選択することになります。

参考リンク

学習の記録にははてなブックマーク!

気づいたこと・覚えたことをコメントにメモしよう