第三種電気主任技術者試験 / 令和6年度第三種電気主任技術者下期試験 機械科目 / 各問題解説 / 問90
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令和6年度第三種電気主任技術者下期試験 機械科目 問90 解説 問9 問9

設問図

問9 定格容量100kV・A,定格一次電圧6.3kVで特性の等しい単相変圧器が2台あり,各変圧器の定格負荷時の負荷損は1600Wである。この変圧器2台をV-V結線し,一次電圧6.3kVにて90kWの三相平衡負荷をかけたとき,2台の変圧器の負荷損の合計値[W]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。ただし,負荷の力率は1とする。

  1. 324
  2. 432
  3. 648
  4. 864 ✓ 正答
  5. 1440

解説

2台の単相変圧器によるV-V結線において、三相平衡負荷90kWを供給する際の負荷損の合計は、各変圧器の利用率を考慮して定格時の負荷損を2乗換算することで864Wとなります。

V-V結線における負荷損の性質

変圧器の負荷損(銅損)は、変圧器を流れる電流の2乗に比例して増加します。定格容量の変圧器に定格負荷をかけたときに発生する負荷損が既知である場合、任意の負荷をかけたときの負荷損は、その時点の負荷率(定格容量に対する実際の負荷の割合)を2乗し、定格時の負荷損を掛けることで算出できます。

V-V結線は、単相変圧器2台を用いて三相交流電力を供給する方式ですが、この結線方式における最大出力容量は、個々の単相変圧器の定格容量の 3\sqrt{3} 倍となります。したがって、V-V結線全体の定格容量は 100 kV⋅A×3≈173.2 kV⋅A100\,\text{kV}\cdot\text{A} \times \sqrt{3} \approx 173.2\,\text{kV}\cdot\text{A} です。

負荷損の算出手順

  1. V-V結線全体の定格容量を確認します。 単相変圧器2台の定格容量がそれぞれ 100 kV⋅A100\,\text{kV}\cdot\text{A} であるため、V-V結線時の三相出力としての定格容量 SnS_n は以下の通りです。 Sn=100×3≈173.2 kV⋅AS_n = 100 \times \sqrt{3} \approx 173.2\,\text{kV}\cdot\text{A}

  2. 供給する三相負荷に対する負荷率 β\beta を算出します。 力率が1であるため、負荷容量 PP は 90 kW=90 kV⋅A90\,\text{kW} = 90\,\text{kV}\cdot\text{A} です。全体の定格容量に対する利用割合である負荷率 β\beta は次のように求められます。 β=901003\beta = \frac{90}{100\sqrt{3}}

  3. 2台の変圧器で発生する負荷損の合計を求めます。 1台あたりの定格時の負荷損が 1600 W1600\,\text{W} です。負荷率 β\beta で運転したときの1台あたりの負荷損は 1600×β21600 \times \beta^2 となります。V-V結線では2台の変圧器が電力を分担するため、合計の負荷損 PLP_L は以下の式で計算できます。 PL=2×1600×β2P_L = 2 \times 1600 \times \beta^2 PL=3200×(901003)2P_L = 3200 \times \left( \frac{90}{100\sqrt{3}} \right)^2 PL=3200×810010000×3P_L = 3200 \times \frac{8100}{10000 \times 3} PL=3200×810030000=3200×0.27=864 WP_L = 3200 \times \frac{8100}{30000} = 3200 \times 0.27 = 864\,\text{W}

この計算により、負荷容量と結線方式の定格容量の比を重ねてみると、変圧器の過不足ない電力供給能力と、そこで発生するエネルギー損失の関係が見えてきます。

参考リンク

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