第三種電気主任技術者試験 / 令和7年度第三種電気主任技術者下期試験 法規科目 / 各問題解説 / 問90
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令和7年度第三種電気主任技術者下期試験 法規科目 問90 解説 問9 問9

設問図

問9 次の文章は,「電気設備技術基準の解釈」に基づく,電気自動車等から一般用電気工作物に電気を供給するための設備等の施設に関する記述である。電気自動車等から供給設備を介して,一般用電気工作物に電気を供給する場合にあっては,電気自動車等と供給設備とを接続する回路(電気機械器具内の回路を除く。)の対地電圧は,150V以下であること。ただし,次により施設する場合はこの限りでない。a)対地電圧が,(ア)V以下であること。b)供給設備が,低圧配線と直接接続して施設すること。c)直流回路が,(イ)こと。d)直流回路に接続する電力変換装置の交流側に(ウ)を施設すること。e)電気自動車等と供給設備とを接続する回路に(エ)を生じたときに自動的に回路を遮断する装置を施設すること。f)電気自動車等と供給設備とを接続する回路の電線が切断したときに電気の供給を自動的に遮断する装置を施設すること。上記の記述中の空白箇所(ア)~(エ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

  1. (1) (ア)750 (イ)非接地である (ウ)絶縁変圧器 (エ)短絡
  2. (2) (ア)450 (イ)非接地である (ウ)絶縁変圧器 (エ)地絡 ✓ 正答
  3. (3) (ア)300 (イ)接地されている (ウ)開閉器 (エ)地絡
  4. (4) (ア)450 (イ)非接地である (ウ)開閉器 (エ)短絡
  5. (5) (ア)300 (イ)接地されている (ウ)絶縁変圧器 (エ)短絡

解説

電気自動車等から一般用電気工作物に電気を供給する設備は、電気設備技術基準の解釈第217条に規定されており、対地電圧450V以下、直流回路の非接地化、電力変換装置交流側への絶縁変圧器の設置、および地絡保護装置の施設が求められるため、選択肢(2)が正当となります。

電気自動車等からの供給に関する安全技術基準

電気自動車等からの電気供給は、移動体である車両が一般用電気工作物に直接接続されるという特性上、感電や火災を防止するための特殊な安全対策が求められます。特に、直流回路を用いる場合、交流とは異なる絶縁監視や保護の考え方が適用されます。

ここで重要な考え方が「電気的絶縁」と「保護協調」です。絶縁変圧器を介在させることは、供給元の回路と一般用電気工作物の回路を電気的に切り離し(絶縁し)、一方の回路で発生した異常が他方に直接波及するのを防ぐ効果があります。また、地絡保護装置は、電気が本来の経路を外れて大地へ流出する事故を検出し、即座に回路を遮断することで感電事故を未然に防ぐ重要な役割を果たします。

供給設備の構成要素と判断基準

設問の各項目は、この安全基準の具体的な要件を指しています。以下の手順で規定内容を確認します。

  1. 対地電圧の上限値を確認する。通常、低圧の定義は直流750V以下ですが、電気自動車からの供給においては、より厳格な安全を確保するために、特例として対地電圧は450V以下であることが求められます。
  2. 直流回路の接地方式を特定する。供給設備側の直流回路において、一線地絡事故が発生した際に過大な電流が流れたり、車両側の電位が不安定になったりするのを防ぐため、回路は非接地であることが規定されています。
  3. 電力変換装置の交流側の保護方式を決定する。電力変換装置が故障した際に、交流側の低圧配線へ直流分が流入するのを防ぐため、物理的な隔離手段である絶縁変圧器を設置する必要があります。
  4. 異常発生時の遮断装置の条件を定める。漏電や地絡などの事故が発生した際、速やかに回路を遮断し感電の危険を回避するため、地絡を検出して自動遮断する装置を施設します。

450Vという電圧制限や、絶縁変圧器による系統分離という条件を、電気自動車と建物側の配線図に重ねてみると、安全な給電システム全体が見えてきます。

参考リンク

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