令和7年度第三種電気主任技術者下期試験 機械科目 問40 解説 問4 問4
問4 あるかご形三相誘導電動機を定格電圧でY-Δ始動したところ, 始動トルクは49.0 N・mであった。また, Δ結線での全電圧始動時(定格電圧)の始動トルクは定格運転時の210 %である。この電動機の定格運転時のトルクの値 [N・m] として, 最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 16.3
- 23.3
- 28.3
- 40.4
- 70.0 ✓ 正答
解説
Y-Δ始動時の始動トルクは全電圧始動時の3分の1であるという性質から、定格電圧での全電圧始動トルクを147 N・mと算出し、それが定格運転時の210%に相当することから、定格運転時のトルクは70.0 N・mとなります。
三相誘導電動機の始動トルクと結線方式の関係
三相誘導電動機において、かご形誘導電動機の始動電流や始動トルクを抑えるために用いられるY-Δ始動は、始動時に固定子巻線をY結線とし、加速後にΔ結線へ切り替える方式です。
三相誘導電動機のトルクは、印加される電圧の二乗に比例するという性質があります。Δ結線時の相電圧をとすると、Y結線に切り替えた際の相電圧はとなります。このとき、それぞれの結線で生じるトルク比は、電圧の二乗の比(の二乗)となり、Y結線時の始動トルクはΔ結線(全電圧始動)時の3分の1に減少します。
トルク計算の手順
提示された条件に基づき、以下の手順で定格運転時のトルクを求めます。
Y-Δ始動時の始動トルクは、全電圧(Δ結線)始動時の始動トルクの3分の1であることから、全電圧始動時の始動トルクを逆算します。 [N・m]
全電圧始動時の始動トルクが、定格運転時のトルクの210%(2.1倍)であるという関係式から、定格運転時のトルクを導き出します。 [N・m]
始動時の電圧印加状態によるトルクの変化と、定格運転時のトルクとの倍率関係を重ねてみると、電動機の出力特性が見えてきます。