第三種電気主任技術者試験 / 令和7年度第三種電気主任技術者下期試験 機械科目 / 各問題解説 / 問90
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令和7年度第三種電気主任技術者下期試験 機械科目 問90 解説 問9 問9

設問図

問9 単相変圧器の一次側に電流計, 電圧計及び電力計を接続して, 短絡試験を行う。二次側を短絡し, 一次側に定格周波数の電圧を供給し, 電流計が30Aを示すように一次側の電圧を調整したところ, 電圧計は150V, 電力計は1350Wを示した。この変圧器の一次側からみた漏れリアクタンスの値[Ω]として, 最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。ただし, 変圧器の励磁回路のインピーダンスは無視し, 電流計, 電圧計及び電力計は理想的な計器であるものとする。

  1. 1.50
  2. 3.50
  3. 4.77 ✓ 正答
  4. 5.00
  5. 5.22

解説

変圧器の二次側を短絡した状態で一次側に電圧を加え、測定された電圧、電流、および電力を回路定数へ変換することで、漏れリアクタンスは4.77Ωと求められます。

短絡試験における等価回路の性質

変圧器の短絡試験は、二次側を短絡して一次側に小さな電圧を加え、定格電流を流す試験です。このとき、一次側から見た変圧器内部は、巻線の抵抗分(等価抵抗)と漏れ磁束によるインダクタンス分(等価漏れリアクタンス)が直列に接続された「直列回路」として扱うことができます。励磁回路は無視できるため、測定される電圧と電流の比からインピーダンス全体が、電力と電流の二乗の比から抵抗成分がそれぞれ算出可能です。

ここでの判断には、オームの法則と電力の公式を利用します。インピーダンス ZZ は、加えた電圧 VV と流れる電流 II から Z=V/IZ = V / I で求められます。一方、抵抗 rr は電力 PP と電流 II から P=I2rP = I^2 r の関係を用いて r=P/I2r = P / I^2 と導出できます。また、直列回路におけるインピーダンス、抵抗、リアクタンスの関係は、ピタゴラスの定理から Z2=r2+x2Z^2 = r^2 + x^2 となり、これらを用いることでリアクタンス xx を特定できます。

測定値に基づく回路定数の算出

  1. 短絡インピーダンスの算出 電圧計が示す150Vと電流計が示す30Aを用いて、一次側から見た短絡インピーダンス ZZ を求めます。 Z=150/30=5.0[Ω]Z = 150 / 30 = 5.0 [\Omega]

  2. 等価抵抗の算出 電力計が示す1350Wと電流計が示す30Aを用いて、一次側から見た等価抵抗 rr を求めます。 r=1350/(302)=1350/900=1.5[Ω]r = 1350 / (30^2) = 1350 / 900 = 1.5 [\Omega]

  3. 漏れリアクタンスの算出 インピーダンスと抵抗の関係式 x=Z2−r2x = \sqrt{Z^2 - r^2} に各値を代入します。 x=5.02−1.52=25−2.25=22.75≈4.7697[Ω]x = \sqrt{5.0^2 - 1.5^2} = \sqrt{25 - 2.25} = \sqrt{22.75} \approx 4.7697 [\Omega]

この計算結果から、漏れリアクタンスは4.77Ωであることが分かります。

測定された電圧、電流、電力の数値へ改めて目を向けると、それらが直列回路のインピーダンス、抵抗、リアクタンスという要素に分解されていく様子が浮かび上がってきます。

参考リンク

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