第三種電気主任技術者試験 / 令和7年度第三種電気主任技術者上期試験 法規科目 / 各問題解説 / 問122
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令和7年度第三種電気主任技術者上期試験 法規科目 問122 解説 問12(b) 問12

設問図

問12(b) 三相3線式配電線路から6600Vで受電している三相負荷設備がある。この負荷設備から配電系統へ流出する第5調波電流を算出するにあたり、次の(a)及び(b)に答えよ。ただし、負荷設備は定格容量500kV・Aで、力率改善用として6%直列リアクトル付きコンデンサ設備が設置されており、この負荷設備から発生する第5調波電流は、負荷設備の定格電流に対し15%とする。また、受電点よりみた配電線路側の第n調波に対するインピーダンスは10MV・A基準でj6×n[%]、コンデンサ設備のインピーダンスは10MV・A基準でj50×(6×n-100/n)[%]で表され、発生高調波は定流電源と見なせるものとし、次のような等価回路で表すことができる。受電点から配電系統に流出する第5調波電流[A]の値として、最も近いのは次のうちどれか。

  1. 1.2
  2. 6.2 ✓ 正答
  3. 10.8
  4. 30.9
  5. 41.2

解説

受電点から配電系統へ流出する第5調波電流が6.2Aとなるのは、負荷設備から発生した第5調波電流が、受電点から見た配電線路側インピーダンスとコンデンサ設備側インピーダンスによって分流され、前者に流れる分がこの値に相当するためです。

高調波発生源と等価回路

高調波を発生する負荷設備は、その周波数に対して電流を一定に供給する「定電流源」とみなすことができます。この発生した高調波電流は、受電点に到達すると、配電線路側(電源側)のインピーダンスと、力率改善用コンデンサ設備側のインピーダンスの二手に分かれて流れます。

この現象を解析するために用いられるのが「電流分流の法則」です。これは、並列に接続された複数の経路に電流が分かれる際、各経路に流れる電流値は全電流に対して、その経路のインピーダンスと全インピーダンスの比率で決まるという性質です。具体的には、配電系統側へ流れる電流 IsI_s は、発生した全高調波電流 I5I_5 に、コンデンサ側インピーダンス ZcZ_c と全インピーダンスの和 (Zs+Zc)(Z_s + Z_c) の比を乗じることで算出できます。

第5調波電流の算出手順

この問題を解くには、まず負荷設備の定格電流を基準とし、指定された第n調波のインピーダンス値を百分率(%インピーダンス)で導出する必要があります。

  1. 負荷設備の第5調波電流を算出する 負荷設備の定格容量 Pn=500 kV⋅AP_n = 500 \text{ kV}\cdot\text{A}、受電電圧 V=6600 VV = 6600 \text{ V} より、定格電流 InI_n は次式で求められます。 In=Pn3×V=500×1033×6600≈43.74 AI_n = \frac{P_n}{\sqrt{3} \times V} = \frac{500 \times 10^3}{\sqrt{3} \times 6600} \approx 43.74 \text{ A} この負荷設備から発生する第5調波電流 I5I_5 は定格電流の15%であるため、I5=43.74×0.15≈6.56 AI_5 = 43.74 \times 0.15 \approx 6.56 \text{ A} となります。

  2. 配電線路側インピーダンス ZsZ_s を算出する 問題文の条件式 j6×nj6 \times n に n=5n=5 を代入すると、Z_s = j6 \times 5 = j30 \text{ [%]} となります。これは10 MV・A基準の値です。

  3. コンデンサ設備側インピーダンス ZcZ_c を算出する 問題文の条件式 j50×(6×n−100/n)j50 \times (6 \times n - 100/n) に n=5n=5 を代入します。 Z_c = j50 \times (6 \times 5 - 100/5) = j50 \times (30 - 20) = j500 \text{ [%]} ここでも10 MV・A基準の値として算出されます。

  4. 配電系統へ流出する第5調波電流を求める 分流の法則を適用し、配電系統側(電源側)へ流れる電流 IsI_s を計算します。 Is=I5×∣Zc∣∣Zs+Zc∣=6.56×500∣j30+j500∣=6.56×500530≈6.188 AI_s = I_5 \times \frac{|Z_c|}{|Z_s + Z_c|} = 6.56 \times \frac{500}{|j30 + j500|} = 6.56 \times \frac{500}{530} \approx 6.188 \text{ A} 計算結果は約6.19 Aとなり、選択肢の中で最も近いのは6.2 Aとなります。

受電点から見た配電線路の誘導リアクタンスと、コンデンサ設備のインピーダンスが調波次数に対してどのように変化するのかを重ねてみると、電流がどちらの経路を通りやすいかが見えてきます。

参考リンク

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