平成22年度 筆記試験 問46 解説 計器用変流器の役割
⑥で示す機器の役割は。
- イ. 高電圧を低電圧に変圧する。
- ロ. 電路に侵入した過電圧を抑制する。
- ハ. 高圧電路の電流を変流する。 ✓ 正答
- ニ. 電路の異常を警報する。
解説
避雷器を見分けるポイント
回路図中に記号「LA」と表記されている機器、あるいは避雷器特有のシンボル(ジグザグの抵抗記号と接地端子を組み合わせたもの)があれば、それは「避雷器(Lightning Arrester)」です。避雷器の役割は、雷サージや開閉サージといった異常電圧が電路に侵入した際、直ちに大地へ放電して機器の絶縁破壊を防ぐことにあります。選択肢の中で「過電圧を抑制する」という表現は避雷器の機能を端的に表したものです。
避雷器が過電圧を抑える仕組み
避雷器は、通常時には電路を絶縁状態に保ち、電気を通しません。しかし、雷などの非常に高い電圧(異常電圧)が加わると、内部の抵抗値が急激に低下する特性を持っており、一瞬にして電気を大地に逃がします。この働きによって、接続されている変圧器や配電機器にかかる電圧を、機器が耐えられる一定値以下(制限電圧)に抑え込むのです。
消極的な選択肢の消去法
試験本番では、他の選択肢との比較を行うことも重要です。
・高電圧を低電圧に変圧する:これは計器用変圧器(VTまたはPT)の役割です。電圧を測るために低く変換します。 ・高圧電路の電流を変流する:これは変流器(CT)の役割です。電流を計器で扱いやすい値まで下げます。 ・電路の異常を警報する:これは継電器や警報装置の役割であり、過電圧そのものを抑制する機能とは異なります。
これらの機器は、試験問題において非常によく併記されます。図記号を見た際に、「これは電気を測るものか(VT, CT)」「電気を逃がして守るものか(避雷器)」という二択で整理しておくと、迷う時間を減らすことができます。
実務における避雷器の立ち位置
避雷器は、受変電設備の引き込み口付近に設置されることがほとんどです。これは、外部からの雷サージが設備全体に広がる前に、入口で食い止める必要があるからです。
第一種電気工事士試験において、この問題が出題される意図は、機器の保護協調に対する意識を確認することにあります。単に知識として覚えるだけでなく、「なぜ避雷器が必要なのか」「なぜ接地が必要なのか」をセットで理解しておくことで、将来的に工事の計画や保安管理を行う際、適切な配置を判断するための基礎力が養われます。