第一種電気工事士試験 / 平成23年度 筆記試験 / 問29
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平成23年度 筆記試験 問29 解説 接地工事の基準

接地工事に関する記述として、不適切なものは。

  1. イ. 人が触れるおそれのある場所のB種接地工事の接地線を地表上2〔m〕まで金属管で保護した。 ✓ 正答
  2. ロ. A種接地工事の接地極(避雷器用を除く)とD種接地工事の接地極を共用して、接地抵抗を10〔Ω〕以下とした。
  3. ハ. 地中に埋設する接地極に大きさが900〔mm〕×900〔mm〕×1.6〔mm〕の銅板を使用した。
  4. ニ. 人が触れるおそれのある場所の400〔V〕低圧屋内配線において、電線を収めるための金属管にC種接地工事を施した。

解説

この問題は「接地工事における保護措置と接地極の設置ルール」に関する正しい知識を問うものです。不適切なものを一つ選ぶ問題ですが、特に「人が触れるおそれがある場所のB種接地線」には、電気設備技術基準で厳格な保護措置が定められています。

B種接地線は絶縁物で保護しなければならない

選択肢イが不適切である理由は、B種接地線を保護する材質にあります。人が触れるおそれがある場所において、接地線を地表上2mまで保護する場合、その保護物には「絶縁性の防護物」を使用しなければなりません。金属管は導電体であるため、万が一の漏電時に金属管自体が帯電する危険があり、接地線を保護する用途としては認められていません。

接地工事の基本ルールと避雷器の例外

選択肢ロが気になった方も多いかもしれません。原則として、異なる種類の接地工事の接地極を共用することは禁止されています。しかし、例外的に「避雷器」の接地極と他の接地極を共用する場合などは、特定の条件下で認められることがあります。ただし、この問題の文脈において選択肢イの誤りが明確であるため、イが正解となります。

接地極の設置における重要なポイントを整理します。

・A種、B種、C種、D種それぞれの接地抵抗値の基準を守ること ・接地極は地中深くに埋設し、周囲の土壌と十分な接触を保つこと ・接地線が損傷を受けるおそれがある場所では、防護措置を講じること

接地工事の物理的基準

選択肢ハに登場する「900mm×900mm×1.6mmの銅板」は、板状の接地極として技術基準で認められた寸法です。接地抵抗を下げるためには接地極と大地との接触面積を増やすことが有効であり、銅板のような面積の大きな部材は接地工事において合理的な選択肢となります。

選択肢ニの「400V以下の低圧屋内配線で金属管にC種接地を施す」という記述は、技術基準における一般的な要求事項です。400Vを超える場合や、あるいはD種でも良いケースなどの細かな区分を問う問題が多いため、電圧値と必要な接地種別の関係は暗記しておく必要があります。

この知識が現場で意味すること

この問題が意図しているのは、単なる知識の暗記ではありません。実際の工事現場において、接地線という「安全を守るための設備」が、それ自体によって感電事故を引き起こすリスクを避けるという考え方です。

金属管で接地線を囲ってしまうと、たとえ接地線が保護されても、その金属管が何らかの原因で充電状態になった場合、そこを触れた作業者が感電してしまいます。接地工事とは、あくまで大地への確実な逃げ道を確保しつつ、二次災害を起こさないための物理的配置を設計する行為です。この概念を理解しておくと、試験問題だけでなく、現場での施工計画においても安全性を重視した判断ができるようになります。

参考リンク

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