第一種電気工事士試験 / 平成25年度 筆記試験 / 問21
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平成25年度 筆記試験 問21 解説 遮断器の遮断容量決定

高圧受電設備の受電用遮断器の遮断容量を 決定する場合に、必要なものは。

  1. イ. 最大負荷電流
  2. ロ. 受電用変圧器の容量
  3. ハ. 受電点の三相短絡電流 ✓ 正答
  4. ニ. 電気事業者との契約電力

解説

遮断器の遮断容量を決定する際は、その設備で起こりうる「最大規模の短絡事故」を想定する必要があります。したがって、受電点で発生する三相短絡電流を算出し、それを安全に遮断できる能力を持つ機器を選定するのが正解となります。

短絡容量と遮断容量の基礎

短絡電流とは、電路のインピーダンスが極めて小さくなったときに流れる過大な電流のことです。この電流はオームの法則(I=V/ZI = V / Z)に基づき、電源側のインピーダンスと受電点までの電路インピーダンスによって決まります。

遮断器の遮断容量(MVAまたはkA)とは、事故時に流れるこの短絡電流を、機器を破壊させることなく安全に遮断できる限界値のことです。遮断器は、通常時の負荷電流を流す役割だけでなく、万が一の事故時に「自らを破壊せずに電流を切り離す」という防護の役割を担っています。

遮断器選定の思考プロセス

問題文にある他の選択肢と比較すると、判断の根拠が明確になります。

・最大負荷電流:遮断器の「定格電流」を決めるための指標です。負荷が流し続ける電流を許容できるかという観点であり、短絡事故とは別の指標です。 ・受電用変圧器の容量:短絡電流を計算する際の基礎データの一部にはなりますが、これだけで遮断容量が決まるわけではありません。電力会社側の電源インピーダンス(%インピーダンス)が不明なためです。 ・契約電力:料金体系を決める指標であり、電気的な安全設計の直接的な計算根拠にはなりません。

遮断器選定の際は、まず受電点から見た電源側の%インピーダンスを電力会社へ照会し、そこから算出される三相短絡電流を求めます。その計算結果に対し、余裕を持たせた遮断容量を持つものを選定するのが実務における正しい手順です。

実務における遮断容量の重要性

設計の現場では、この遮断容量の不足は致命的な事故につながります。もし短絡電流が遮断器の能力を超えている場合、遮断器は溶着したり、爆発的に破損したりして事故電流を止められません。これを「遮断失敗」と呼びます。

この問題は、試験合格のためだけでなく、高圧受電設備において最も重要とも言える「保安」の概念を問うています。遮断器が遮断できない事故が発生すると、上位の系統まで事故が波及し、広範囲な停電や設備の大規模な損壊を引き起こします。そのため、設計者は単に「電気を流す」ことだけでなく「故障時にどうやって切り離すか」という、守りの設計思想を持つことが求められています。

参考リンク

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