平成25年度 筆記試験 問26 解説 配線工事用工具
低圧配電盤に、CV ケーブル又は CVT ケーブルを接続する作業において、一般に使用しない工具は。
- イ. 油圧式パイプベンダ ✓ 正答
- ロ. 電工ナイフ
- ハ. トルクレンチ
- ニ. 油圧式圧着工具
解説
この問題は、電気工事で用いられる工具の種類と、その主な「作業用途」を正しく結びつけることができれば確実に正解できます。
油圧式パイプベンダは金属管(電線管)を曲げるための専用工具です。一方で、CVケーブルやCVTケーブルの接続作業は、ケーブルの外装剥ぎ取りや端子圧着といった「ケーブルの端末処理」がメインとなります。したがって、金属管工事に使われる工具である油圧式パイプベンダは、ケーブル接続の作業工程とは無関係であると判断できます。
工具の役割と作業工程の整理
電気工事士試験において工具の問題が出た際は、その工具がどの工事工程で活躍するものかを分類すると覚えやすくなります。今回の選択肢にある各工具の役割は以下の通りです。
・電工ナイフ:ケーブルのシース(外装)や絶縁被覆を剥ぎ取る作業に必須です。接続作業の準備段階で行われます。 ・トルクレンチ:端子接続時に、ボルトやナットを規定の締付トルクで固定するために使います。接触不良を防ぐ重要な工程です。 ・油圧式圧着工具:太いCVケーブルなどの端子を圧着する際、人力では力が足りないため、油圧の力を借りて強固に接続するために用います。
これらに対して、油圧式パイプベンダは「管路工事」の範疇に含まれます。配電盤にケーブルを導入するための配管を加工する際には使いますが、盤内での「接続作業そのもの」には使用しません。
知識を整理するための視点
試験問題を作成する側は、単に工具の名前を知っているかだけでなく、工事の流れ(プロセス)を理解しているかを問おうとしています。
もし現場で「ケーブルを接続する」という指示が出たとき、自分の手元にどの工具が必要かを具体的にイメージしてみてください。ケーブルを剥く、端子を付ける、ボルトを締める、という一連の動作には電工ナイフ、圧着工具、トルクレンチが浮かびますが、パイプベンダは盤の中の作業では邪魔になるだけで、出番がないことが分かります。このように、具体的な作業シーンをシミュレーションする思考法は、試験対策としても非常に有効です。
現場での安全管理と工具選定
実際の工事現場では、適切な工具の選択が施工品質と安全性に直結します。例えば、圧着工具に適切なものを使わなければ接続部が加熱する恐れがありますし、トルク管理を怠れば緩みによる火災の原因となります。この問題は、基礎的な工具の名称を問うと同時に、電気工事に従事する者として「その作業に必要な機材は何か」という専門家としての判断力を養うための入り口となっています。