平成25年度 筆記試験 問28 解説 可燃性ガス場所の施工
可燃性ガスが存在する場所に低圧屋内電気設備を施設する施工方法として、不適切なものは。
- イ. 配線は厚鋼電線管を使用した金属管工事により行い、附属品には耐圧防爆構造のものを使用した。
- ロ. 可搬形機器の移動電線には、接続点のない 3 種クロロプレンキャブタイヤケーブルを使用した。
- ハ. スイッチ、コンセントには耐圧防爆構造のものを使用した。
- ニ. 配線は、合成樹脂管工事で行った。 ✓ 正答
解説
この問題は「危険場所における電気設備の施設基準」を問うものです。判断のポイントは、可燃性ガスが存在する環境において、いかにして火災や爆発の原因となる火花やアークを遮断・封じ込めるかという点にあります。
危険場所における防爆設備の基本原則
可燃性ガスが存在する場所(危険場所)での電気工事には、電気火花や高熱による引火を防止するために厳格な制限があります。
この環境下での施工方法の原則は「堅牢であること」と「火花を外部に漏らさないこと」です。具体的には、以下の条件が求められます。 ・配線には機械的強度が極めて高い厚鋼電線管を使用し、ねじ切り等により接続部を完全に密閉すること。 ・附属品(ボックスや接続箱など)には、万が一内部で爆発が起きても、その圧力を抑え込み、外部の可燃性ガスに引火させない「耐圧防爆構造」のものを使用すること。
合成樹脂管工事は、金属管に比べて機械的強度が弱く、また管そのものが帯電しやすかったり、接続部からのガス侵入を防ぎきれなかったりするため、爆発の危険がある場所での使用は認められていません。
なぜこの選択肢が誤りなのか
問題文にある「合成樹脂管工事」が不適切とされる最大の理由は、防爆性能を維持できない点にあります。
可燃性ガスが存在する場所では、電気的な故障が発生した際に、その火花が直接ガスに触れることを防ぐ必要があります。厚鋼電線管は「万が一の際にも中の火花を外に出さない」「外部からの衝撃や腐食から電線を守る」という役割を果たします。合成樹脂管は燃焼しやすく、衝撃で破損した際に火花が外部に露出するリスクがあるため、安全基準をクリアできません。
一方で、その他の選択肢である「厚鋼電線管」「耐圧防爆構造の附属品」「3種クロロプレンキャブタイヤケーブルの使用(一定の条件下の移動電線)」は、いずれも爆発を防ぐための技術基準に適合する手法です。
現場で求められる安全の考え方
電気工事士として、この知識は「環境に適した工法を選ぶ」という安全管理の根幹をなすものです。工場、ガソリンスタンド、化学プラントなど、ひとたび事故が起きれば甚大な被害が出る場所では、今回のような規定が守られているかが点検の最優先事項となります。
試験においては、単に「ダメである」と覚えるだけでなく、「なぜそこには金属が必要なのか」「なぜ樹脂ではダメなのか」という物理的な理由をセットで理解しておくことが重要です。そうすることで、現場での施工時に「この場所にはどの工事方法が適切か」をその場で判断できる技術者としての視点が養われます。