平成27年度 筆記試験 問13 解説 燃料電池の原理
りん酸形燃料電池の発電原理図として, 正しいものは。
- イ.
- ロ. ✓ 正答
- ハ.
- ニ.
解説
りん酸形燃料電池の原理図を判断する際は、燃料(水素)を供給する側が負極、酸化剤(酸素)を供給する側が正極であること、そして反応の結果として正極側から水()が排出されるという2点に注目します。
燃料電池の基本反応と物質の流れ
りん酸形燃料電池(PAFC)は、水素と酸素を反応させて電気を取り出す装置です。このプロセスの化学反応式は以下の通りです。
負極側では、供給された水素が電子を放出して水素イオンとなります。
正極側では、供給された酸素が、外部回路を通ってきた電子と電解質の中を通ってきた水素イオンと結合して、水が生成されます。
この反応から分かる通り、燃料電池システムとしては「水素と酸素を入れ、最終的に水を取り出す」という流れが不可欠です。したがって、図を見る際には「左から水素が入っているか」「右から酸素が入っているか」「正極側から水が出ていくか」を確認します。
選択肢を見分ける思考プロセス
問題の図を選ぶ際は、以下のステップで絞り込みを行います。
- 負極に水素が供給されているか: 燃料電池の負極は燃料側ですので、が流入しているものが正解の候補になります。
- 正極に酸素が供給されているか: 正極は酸化剤側ですので、が流入しているものを選びます。
- 生成物(水)の位置は適切か: 反応式より水は正極側で生成されます。したがって、正極側からが排出される図を探します。
これらを満たすのは選択肢ロのみです。他の選択肢はガス供給位置が逆であったり、排出される物質が反応の原理と一致していなかったりするため、不適となります。
エネルギー変換の理解と実務への応用
燃料電池の原理を理解することは、将来のエネルギー供給システムや非常用電源の設計・保守において重要です。現在、分散型電源として燃料電池は注目されており、特にりん酸形は稼働温度が約200度前後と高く、発生する熱を給湯などに利用するコージェネレーションシステムとしても活用されています。
試験対策としては、単に図を暗記するだけでなく「水素はマイナス極から入り、酸素はプラス極から入る」という基本ルールを徹底しておきましょう。この構造は他の種類の燃料電池(固体高分子形など)にも共通する根本的な考え方です。