平成27年度 筆記試験 問41 解説 端末処理工具
①の端末処理の際に, 不要なものは。
- イ.
- ロ.
- ハ. ✓ 正答
- ニ.
解説
高圧ケーブルの端末処理は、電気工事の中でも特に緻密さが求められる作業です。この問題は、提示された工具が「高圧ケーブルの加工・接続に適しているか」を判断するだけで正解を導き出せます。
ハで示されている工具は、塩ビ管を切断するための「パイプカッター(塩ビ管カッター)」です。高圧ケーブルの複雑な積層構造を傷つけずに処理する作業には全く不要な工具であるため、これが正解となります。
高圧ケーブル端末処理に必要な工具の種類
高圧ケーブル(CVケーブルなど)の端末処理では、ケーブルの外被(シース)や絶縁体を精密に剥ぎ取る必要があります。そのため、以下のような工具が不可欠です。
イ:ケーブルカッター 太い電線やケーブルをきれいな断面で切断するために使用します。刃が円弧状になっているのが特徴で、ケーブルを押しつぶすことなく切断できます。
ロ:電工ナイフ 外被を剥いたり、細かいバリを取り除いたりするための必須道具です。切れ味を維持し、熟練した技術で層を分けていく作業に欠かせません。
ニ:半田ごて(または加熱ツール) 端末処理においては、半田付けや熱収縮チューブの加熱収縮などに使用します。近年の端末処理キットでは、熱収縮による密着性を利用するため、ヒートガンや専用の加熱装置が重要な役割を果たします。
工具を識別する思考プロセス
試験会場では、「この工具の名前は何か」「普段の現場で何に使っているか」を瞬時に連想することが求められます。
- 各選択肢の形状を確認する:それぞれの形状が何に特化しているかを考えます。
- 用途を特定する:イは切断、ロは剥離・加工、ニは熱処理といった機能を特定します。
- 現場作業との乖離を探す:唯一、塩ビ管切断専用であるハだけが、金属導体や絶縁体を含むケーブルの処理という目的から大きく外れていることを特定します。
試験で問われる意図
この問題は、単に「工具の名前を知っているか」という知識だけではなく、「工事の内容と道具の適正な組み合わせ」を理解しているかを問うています。
第一種電気工事士が扱う高圧受電設備において、ケーブルの端末処理を失敗することは、絶縁破壊や地絡事故に直結する重大なミスにつながります。ケーブルの断面を美しく処理し、電気的なストレスを適切に分散させるためには、専用の工具を正しい用途で使うことが大前提です。この問題は、現場における「工具の使い分け」というプロの基本動作を確認する教育的な意味を持っています。