第一種電気工事士試験 / 平成28年度 筆記試験 / 問8
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平成28年度 筆記試験 問8 解説 変流器の二次電流

設問図

図のように, 変圧比が6600/210Vの単相 変圧器の二次側に抵抗負荷が接続され, その 負荷電流は440Aであった。このとき, 変圧 器の一次側に設置された変流器の二次側に 流れる電流I[A]は。 ただし, 変流器の変流比は25/5Aとし, 負荷抵抗以外のインピーダンスは無視する。

  1. イ. 2.6
  2. ロ. 2.8 ✓ 正答
  3. ハ. 3.0
  4. ニ. 3.2

解説

この問題は、変圧器の一次電流を求め、それを変流器(CT)の比率で換算する2段階のステップで解くことができます。

計算手順は以下の通りです。

  1. 変圧器の一次電流 I1I_1 を求める:I1=440×(210/6600)=14[A]I_1 = 440 \times (210 / 6600) = 14 [A]
  2. 変流器の二次電流 II を求める:I=14×(5/25)=2.8[A]I = 14 \times (5 / 25) = 2.8 [A]

変圧器と変流器の変換比率

この問題で重要なのは、電力機器の「変成比」の考え方です。

変圧器(トランス)は、入力側と出力側の電力(電圧×電流)が理想的には一定であるという性質を利用しています。電圧が 6600/2106600/210 になるということは、電圧は 210/6600210/6600 倍に下がります。その分、電流は電圧の比の逆数、つまり 6600/2106600/210 倍に増えることになります。今回の計算では、二次側の電流 440[A]440 [A] を基準として、一次側電流 I1=440×(210/6600)I_1 = 440 \times (210 / 6600) という式で電流値を導き出しました。

一方、変流器(CT)は、大電流を小さな電流に変換して計測するための計器用変成器です。変流比 25/5[A]25/5 [A] とは、「一次側に 25[A]25 [A] が流れたときに、二次側には 5[A]5 [A] を出力する」という比率を意味します。したがって、一次電流に 5/255/25 を掛けることで、電流計へ流れる値を算出できます。

計算の流れと論理的アプローチ

この問題を解く際には、回路図を左から右へ流れる電流の変換プロセスとして捉えるのがコツです。

まず右側の負荷で 440[A]440 [A] が流れていると確定しています。これが変圧器を通ることで一次側へ伝播し、次に変流器を通ることで計測器用の数値に変換されます。一度に式を立てようとすると混乱するため、上記のように「変圧器を通した後の電流はいくらか?」を一旦中間値として求め、その結果に対して「変流器を通すといくらになるか?」と順を追って処理することが、ミスを防ぐための最も確実な思考プロセスです。

現場における計器用変成器の役割

この知識は、電気工事士として配電盤や制御盤を扱う際に不可欠なものです。実際の高圧受電設備では、数キロアンペアという巨大な電流を直接計器に通すことは危険ですし、計器自体も巨大なものが必要となってしまいます。

そのため、CT(変流器)やPT(計器用変圧器)を用いて、高圧・大電流の電気を安全に扱える「低圧・小電流」へ変換してモニターしています。現場で盤内の計器を見る際、そこに表示されている数値は「直接流れている電流」ではなく、「CTによって変換された値」であることを理解しておくことが重要です。試験問題としては単なる計算ですが、実務では「もしCTの二次側開放事故が起きたら何が起こるか」「二次側回路の抵抗が増すと誤差はどうなるか」といった安全管理上の視点にもつながる重要な構造を学んでいることになります。

参考リンク

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