平成28年度 筆記試験 問15 解説 機器の名称
写真に示す矢印の機器の名称は。
- イ. 自動温度調節器
- ロ. 熱動継電器 ✓ 正答
- ハ. 漏電遮断器
- ニ. タイムスイッチ
解説
写真の機器は、電磁接触器(マグネットスイッチ)の下部に連結されたサーマルリレー(熱動継電器)です。外見上の最大の特徴は、電流設定用のつまみ(ダイヤル)と、動作を確認・復帰させるためのリセットボタンがついている点です。この特徴を探すことが、正解へ至る最も確実な手順です。
外観で見分けるポイント
写真の矢印が指している部分は、主回路の電流を検知するための部品です。他の選択肢と見分けるためには、以下のポイントを確認します。
・自動温度調節器:温度を感知するセンサーやデジタル表示、あるいは調整ダイヤルが特徴です。電流を遮断するような端子配置ではありません。 ・漏電遮断器:漏電を検出するためのテストボタン(通常は黄色や赤色の小さな押しボタン)が独立して付いており、サイズも大きく重厚です。 ・タイムスイッチ:設定時刻を表示する文字盤や、プログラムを設定するピン・レバーなどが表面に配置されています。
本問の機器のように、電磁開閉器の一部として組み込まれ、モーターの過負荷電流を熱で感知する構造になっているのがサーマルリレーです。
サーマルリレーの役割
この機器は、電動機の焼損を防ぐための「過負荷保護装置」として機能します。内部にバイメタル(熱によって曲がる性質の異なる2種類の金属を張り合わせたもの)が入っており、規定値以上の電流が流れて一定時間が経過すると、熱でバイメタルが変形し、補助接点を開放します。
この補助接点が電磁接触器の操作回路を遮断することで、主回路の電源が切られ、モーターを保護する仕組みです。いわば、モーターを守るための「熱の番人」と言えます。
現場で求められる知識の背景
第一種電気工事士の試験において、この機器の識別が求められる理由は、実際の現場で電磁開閉器を組み立てる機会が多いためです。
現場では、モーターの定格電流値に合わせて、このダイヤルを適切な位置に回して設定しなければなりません。もし設定を誤れば、モーターが正常な運転をしているのに停止してしまったり(設定が低すぎる場合)、逆に過負荷状態なのに保護が働かずモーターが焼損したり(設定が高すぎる場合)します。機器の名称を知っていることはもちろん、その機器がどのような保護目的で設置されているかを理解しておくことが、安全な電気設備管理に直結します。