平成28年度 筆記試験 問17 解説 変圧器の結線
変圧器の結線方法のうち Y-Y 結線は。
- イ.
- ロ.
- ハ. ✓ 正答
- ニ.
解説
Y-Y結線を見分けるには、変圧器の一次側(上段)と二次側(下段)の両方において、各相の巻線の端が一点に接続され、中性点が形成されている回路図を探します。
Y結線の構造と特徴
変圧器の結線においてY結線とは、3つの巻線の各一端を一点にまとめ、残りの端を電源または負荷に接続する方式です。回路図上で見ると、巻線が星形(スター)状に接続されているように見えるため、Y結線と呼ばれます。
この問題の選択肢であるハを見ると、上段の3つの巻線の右端が一点で結ばれ、同様に下段の3つの巻線の右端も一点で結ばれています。このように一次側と二次側の双方がY結線になっているものが、Y-Y結線です。
結線図を読み解く判断基準
試験では、巻線の端部同士がどのように接続されているかを追うことが重要です。
- 一次側を見る:3つの巻線が互いに1点ずつを共通に接続し、そこから中性点として引き出されているかを確認します。
- 二次側を見る:一次側と同様に、3つの巻線の片端がすべて共通の点に結ばれているかを確認します。
- 全体を確認:両側がこの条件を満たしていればY-Y結線と判断します。
他の選択肢を例にとると、デルタ(Δ)結線は3つの巻線が閉じた三角形を作るように接続されます。これらは線間に電圧をかけるための端子がそれぞれ異なる場所に配置されるため、見た目で容易に区別がつきます。
高圧・特別高圧送電における意義
Y-Y結線は、主に超高圧の送電系統において変圧器の絶縁レベルを下げられるという利点があります。中性点を接地できるため、異常電圧の抑制に寄与するからです。しかし、一方で第3次高調波電流が流れる回路が形成されないため、電圧波形が歪むという欠点も持ち合わせています。そのため、実際の送電用変圧器では、この欠点を補うために巻線を3つ設ける「三次巻線(Δ結線)」を加えて対策を行うのが一般的です。
第一種電気工事士の学習においては、単なる形状の判別にとどまらず、結線方式によって中性点の接地可否や、高調波の影響がどう変わるのかという回路全体の挙動まで想像できるようになると、試験本番での応用力が格段に高まります。