平成28年度 筆記試験 問22 解説 高圧カットアウト
写真に示す品物の用途は。
- イ. 容量 300 kV・A 未満の変圧器の一次側保護装置として用いる。
- ロ. 保護継電器と組み合わせて,遮断器として用いる。
- ハ. 電力ヒューズと組み合わせて,高圧交流負荷開閉器として用いる。
- ニ. 停電作業などの際に,電路を開路しておく装置として用いる。 ✓ 正答
解説
写真の機器は、高圧カットアウト(PC: Power Cutout)と呼ばれるものです。この問題は、写真を見て機器名称を特定し、その代表的な用途を選択する知識問題です。試験では、300 kV・Aという数字と「変圧器の一次側保護」というキーワードをセットで記憶していれば確実に得点できます。
高圧カットアウトの役割と構造
高圧カットアウトは、主に小規模な需要設備において、変圧器などの保護のために用いられる簡易的な開閉・保護装置です。この機器は、筒状のヒューズホルダを本体の受け金具にはめ込んで通電させます。過電流が流れると内部のヒューズエレメントが溶断し、その際に発生するアークをヒューズホルダ内で消弧して回路を遮断します。
構造が非常にシンプルであるため、コストを抑えつつ、変圧器の過負荷や短絡事故から配電系統を守る役割を果たします。特に容量300 kV・A以下の変圧器一次側に設置されることが電気設備技術基準等でも標準的であり、試験においてもこの「300 kV・A」という数値が正誤判定の重要な鍵となります。
機器名称から用途を導くための視点
試験問題で写真を見たときは、以下の手順で思考を整理します。
- 磁器製または合成樹脂製の絶縁物(碍子)で支持された、ヒューズを装着するための開放的な構造を確認する。これが高圧カットアウトの特徴です。
- 他の選択肢と照らし合わせる。
- 遮断器(CB)や高圧交流負荷開閉器(LBS)は、より複雑な消弧装置や操作機構を備えており、外観が全く異なります。
- 断路器(DS)は、無負荷状態で回路を開閉するだけの機器であり、ヒューズは装着しません。
- 記憶にある「高圧カットアウト=300 kV・A以下の保護」という公式を適用し、最も整合性の高い選択肢を選びます。
現場における実用性と試験の教育的意図
この問題は、電気工事士として現場に出た際、最初に見る可能性が高い機器の一つを問うています。配電用変圧器の近くを見上げると、柱上にこの高圧カットアウトが設置されている様子を頻繁に確認できます。
この問題の意図は、単なる名称の暗記ではなく、「なぜこの設備にはこの保護装置が使われているのか」という設計の意図を理解させることにあります。遮断器や負荷開閉器よりも構造が簡素で安価なカットアウトを選択することで、小規模設備における保護の合理化が図られています。このような、容量に応じた適切な保護機器の選定能力は、実務においても極めて重要な知識となります。