第一種電気工事士試験 / 平成28年度 筆記試験 / 問29
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平成28年度 筆記試験 問29 解説 防爆場所の施工

可燃性ガスが存在する場所に低圧屋内電気 設備を施設する施工方法として, 不適切なも のは。

  1. イ. 金属管工事により施工し, 厚鋼電線管を使用した。
  2. ロ. 可搬形機器の移動電線には, 接続点のない3種クロロプレンキャブタ イヤケーブルを使用した。
  3. ハ. スイッチ, コンセントは, 電気機械器具防爆構造規格に適合するもの を使用した。
  4. ニ. 金属管工事により施工し, 電動機の端子箱との可とう性を必要とする 接続部に金属製可とう電線管を使用した。 ✓ 正答

解説

可燃性ガスが存在する危険な場所では、火花による引火を防ぐために極めて厳格な工事方法が定められています。この問題は、どの材料であれば引火を防ぎ、どの材料が隙間を生む危険があるかを判断する知識を問うています。

選択肢ニが不適切な理由は、金属製可とう電線管(フレキシブル管)の構造にあります。金属製可とう電線管は柔軟性を持たせるために継ぎ目や波状の構造をしており、万が一内部で短絡火花が発生した場合、その構造的な隙間から外側の可燃性ガスに引火する恐れがあるため、防爆エリアでの使用が禁止されています。

防爆エリアにおける配線の基本原則

可燃性ガスや引火性の液体が存在する場所では、電気設備が火元とならないように「防爆構造」の機器や材料を使用しなければなりません。配線工事においても、火花を外部へ漏らさない「耐圧防爆」の考え方が適用されます。

厚鋼電線管(選択肢イ)は、管自体の厚みがあり堅牢で、ねじ切り接続を行うことで気密性を高く保つことができるため、防爆工事の標準として認められています。これに対し、可とう電線管は柔軟性を優先する設計であるため、万一の爆発エネルギーを封じ込める力が不足しているとみなされます。

なぜ他の選択肢が適切なのか

選択肢イの厚鋼電線管は、前述の通り、強固な接続が可能なため、防爆工事に適した材料です。

選択肢ロの3種クロロプレンキャブタイヤケーブルについては、可搬形機器への給電において、途中に接続点があるとそこが弱点となり、振動や経年劣化で火花が発生するリスクがあります。接続点のない一体型のケーブルを使用することで、人為的な事故リスクを最小化しているため、規定上認められています。

選択肢ハのスイッチやコンセントについては、火花が外部に漏れないよう、あらかじめ容器内に炎を封じ込める、あるいは内部の圧力を逃がすなどの工夫がなされた「防爆構造」のものを使用するのが鉄則です。一般的な電気器具をそのまま使用すると、スイッチを入切した瞬間の小さな火花で爆発を誘発するため、不可欠な対策です。

実務における防爆電気設備の重要性

この知識は、工場や化学プラント、ガソリンスタンドなどの電気設備管理において非常に重要です。実際に現場では、防爆エリアであることを示す「防爆マーキング」が機器に施されています。

もし現場で可とう性が必要な場合(例えば振動するモーターの接続部など)であっても、通常の可とう電線管は使用できません。防爆性能を維持したまま可とう性を持たせるには、「防爆フレキシブルフィッティング」と呼ばれる、専用の気密性が保証された特殊な継手部品を用いる必要があります。試験では「金属製可とう電線管がだめ」というルールを覚えるとともに、現場では「何を使えば代替できるのか」という視点を持つことが、将来のプロフェッショナルとしての判断力を養います。

参考リンク

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