第一種電気工事士試験 / 平成29年度 上期 筆記試験 / 問20
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平成29年度 上期 筆記試験 問20 解説 変流器の二次側取扱い

高圧母線に取り付けられた, 通電中の変流器の 二次回路に接続されている電流計を取り外す 場合の手順として, 適切なものは。

  1. イ. 変流器の二次側端子の一方を接地した後, 電流計を取り外す。
  2. ロ. 電流計を取り外した後, 変流器の二次側を短絡する。
  3. ハ. 変流器の二次側を短絡した後, 電流計を取り外す。 ✓ 正答
  4. ニ. 電流計を取り外した後, 変流器の二次側端子の一方を接地する。

解説

変流器(CT)の二次側回路を扱う際は、「二次側を開放してはならない」という鉄則を想起してください。電流計を取り外す前に必ず二次側を短絡しておくことが、手順の正解となります。

なぜ二次側を短絡しなければならないのか

変流器は、一次側に流れる大きな電流を、二次側に設置した電流計などで測定できる小さな値に変換する機器です。変流器の内部では、一次電流によって磁束が発生し、それが二次側に誘導電流を流します。

このとき、二次側回路が閉回路であれば、二次電流によって一次電流を打ち消す方向の磁束が生まれ、鉄心内の磁束は小さく抑えられます。しかし、二次側を開放(オープン)すると、この打ち消し電流が流れなくなるため、一次電流による磁束が鉄心内で非常に大きくなります。

その結果、変流器の二次側端子には非常に高い電圧が誘起されます。この高電圧は絶縁破壊や機器の焼損を招くだけでなく、感電による重大な人身事故を引き起こす可能性があり、非常に危険です。そのため、電流計を取り外すといった二次側回路の変更を行う際は、必ずあらかじめ二次側端子を短絡して、変流器を安全な状態にしておく必要があります。

正解への思考プロセス

この問題は、試験対策として以下の手順で論理的に導き出せます。

  1. 作業対象が「通電中の変流器二次側」であることを確認する。
  2. 「開放状態=危険、短絡状態=安全」という原則を思い出す。
  3. 手順として「電流計を取り外す」という目的がある中で、開放状態を避けるにはどちらを先に行うべきかを考える。
  4. 「先に短絡して閉回路を作る(安全)」→「電流計を取り外す(作業)」→「作業後に短絡を解除する(測定再開)」というプロセスが導かれる。

これに基づくと、先に電流計を外してしまう選択肢ロやニは、その瞬間に二次側が開放されるリスクがあるため不適切です。選択肢イの接地については、電位を安定させる目的では行われますが、取り外しの手順として最優先されるべきは短絡による事故防止です。

現場作業における実用的な意味

この知識は、電気工事士として配電盤や制御盤の保守・点検を行う際に不可欠な安全規定です。実際の現場では、電流計の交換や、クランプ式ではない電流計の計器の取り替え時にこの作業が発生します。

変流器の二次側端子台には、多くの場合、専用の短絡用端子や短絡バーが備わっています。作業者は、計器を取り外す前に必ずこの短絡操作を行い、電圧が上昇しないことを確認してから配線を外すというプロセスを徹底します。この問題は、試験のための知識であると同時に、電気設備現場における基本的な安全管理の作法を問うているのです。

参考リンク

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