平成29年度 上期 筆記試験 問25 解説 電線の接続材料
写真に示す材料のうち, 電線の接続に使用しないものは。
- イ. ✓ 正答
- ロ.
- ハ.
- ニ.
解説
この問題は、写真に示された4つの材料のうち「電線と電線を接続するためのもの」ではないものを選択する問題です。
写真のイは金属製の円筒状で、先端に切り込みが入った拡張アンカー(オールアンカーなど)です。これはコンクリート構造物に電気設備や支持材を取り付けるための固定具であり、電線同士を接続する機能は一切ありません。一方、ロ、ハ、ニはすべて電線接続用の部品であるため、消去法的にイが正解となります。
電線接続に使われる部品の特徴
第一種電気工事士試験では、配線図だけでなく、現場で使用される無数の部品を写真から識別する能力が問われます。電線接続用に分類されるのは以下の3つです。
・ボルト形コネクタ(写真ロ):太い電線同士を接続する際に使用します。ボルトとナットの締め付け力で電線を圧着保持します。
・リングスリーブ(写真ハ):電線の心線を挿入し、専用の圧着工具で押しつぶして接続します。主に屋内配線で多用される、接続の基本部品です。
・差込形コネクタ(写真ニ):心線を差し込むだけで接続が完了する部品です。施工性が非常に高く、住宅のスイッチやコンセントの送り配線などで一般的です。
施工現場での役割と識別
試験問題としてこの構成がなされている理由は、材料の役割が大きく異なる「構造材(固定具)」と「電気回路部品(接続具)」を混同していないかを確認するためです。
現場作業において、電線管やボックスを設置する作業と、その中で電線を結線する作業は工程が異なります。固定具を扱う際はドリルやハンマーが必要となり、接続具を扱う際は圧着ペンチやストリッパーが必要となります。このように、作業環境や道具が明確に区別される材料をグループ化して覚えることで、現場での間違いを防ぐとともに、試験での正答率を安定させることができます。
特に、今回正解となったイの拡張アンカーのように、外見が金属部品であるため、「何かを留めるもの」であることはわかっても、それが「電線用」か「支持用」かを正確に把握しておく必要があります。第一種電気工事士では、より高圧・大電流を扱うための圧着端子なども登場するため、これらの小型の接続部品との形状の差異を確実に頭に入れておくことが重要です。