平成30年度 第一種 筆記試験 問34 解説 高圧屋内受電設備
⑤の高圧屋内受電設備の施設又は表示について,電気設備の技術基準の解釈で示されていないものは。
- イ. 出入口に火気厳禁の表示をする。 ✓ 正答
- ロ. 出入口に立ち入りを禁止する旨を表示する。
- ハ. 出入口に施錠装置等を施設して施錠する。
- ニ. 堅ろうな壁を施設する。
解説
高圧屋内受電設備の施設基準に関する問題です。この問題は、電気設備の安全確保に関する基本的な法令知識を問うものであり、第一種電気工事士にとって非常に重要です。
簡潔な解き方
この問題は、電気設備の技術基準の解釈第168条「高圧の受電設備等の施設」に直接関連する知識を問うものです。高圧屋内受電設備の出入口に施す「施設」または「表示」として、電気設備の技術基準の解釈で具体的に定められていないものを選択します。条文の規定では、取扱者以外の者の立ち入りを制限するための措置として、「立ち入り禁止の表示」、「施錠」、および「堅ろうな壁」の施設が義務付けられています。「火気厳禁」の表示は、可燃物や危険物を扱う場所で用いられることが一般的であり、高圧受電設備に直接義務付けられている項目ではありません。
高圧受電設備の安全確保と法規
電気設備の安全を確保するため、電気設備の技術基準の解釈(電技解釈)は具体的な基準を定めています。高圧の受電設備は、一般の人が容易に触れることができないように、特に厳重な管理が求められます。これは、高電圧による感電事故やその他の危険を未然に防ぐためです。
電技解釈第168条「高圧の受電設備等の施設」では、高圧の受電設備及び高圧又は特別高圧の電気機器について、取扱者以外の者が容易に立ち入ることができないように、次のいずれかの措置を講じることを義務付けています。
- 堅ろうな壁、さく等を施設すること。 これは、物理的に設備の周囲を囲い、不用意な接触を防ぐための措置です。
- 出入口に施錠装置を施設し、施錠すること。 物理的な侵入を防ぐための手段です。鍵をかけることで、権限のない者の立ち入りを制限します。
- 出入口に危険である旨の表示をすること。 視覚的に危険を伝え、注意を促すための表示です。例えば、「高電圧注意」「危険 立入禁止」といった表示が該当します。
- 監視人を置くこと。 常時監視することで、不審者や不用意な立ち入りを防ぐための人的措置です。
上記の規定を踏まえると、選択肢の「ロ. 出入口に立ち入りを禁止する旨を表示する。」、「ハ. 出入口に施錠装置等を施設して施錠する。」、「ニ. 堅ろうな壁を施設する。」は、いずれも電技解釈第168条に直接規定されている、またはその意図に沿った措置であることがわかります。
一方、「イ. 出入口に火気厳禁の表示をする。」は、通常、可燃物や引火性物質が存在する場所、または火災の危険性が特に高い場所に対して指示される表示であり、高圧受電設備そのものの施設基準としては、電技解釈第168条には直接含まれていません。もちろん、高圧受電設備の周囲に可燃物がある場合は別途「火気厳禁」の表示が必要になることもありますが、これは高圧受電設備に固有の施設要件とは区別されます。
第一種電気工事士としての思考プロセス
第一種電気工事士の試験対策としては、このような条文の具体的な内容を正確に把握しているかが問われます。問題を見たときには、まず「高圧屋内受電設備」というキーワードから、その安全対策に関する法規、特に電技解釈第168条が頭に浮かぶように訓練しておくことが重要です。
- キーワードの認識: 「高圧屋内受電設備」「施設又は表示」「電気設備の技術基準の解釈」
- 関連法規の想起: 電技解釈第168条「高圧の受電設備等の施設」を思い出す。
- 条文の内容確認: 第168条に示されている具体的な安全措置(壁、施錠、表示、監視人)を一つずつ確認する。
- 選択肢との照合:
- ロ(立ち入り禁止表示)→ 条文にある「危険である旨の表示」に合致。
- ハ(施錠装置)→ 条文に明記されている。
- ニ(堅ろうな壁)→ 条文に明記されている。
- イ(火気厳禁)→ 条文には直接明記されていない。一般的な安全対策の一つではあるが、高圧受電設備の施設基準としては直接の義務ではない。
- 結論: 条文に直接示されていない「イ」が正解。
このように、法律や規則の具体的な文言を正確に理解し、適用できる能力は、電気工事士として安全かつ適正に電気設備を設計、施工、維持管理するために不可欠です。この問題を通じて、単なる暗記に留まらず、なぜその基準が定められているのかという背景まで理解することで、実務においても適切な判断ができるようになります。