2019年度 第一種電気工事士 筆記試験 問11 解説 絶縁材料の耐熱クラス
電気機器の絶縁材料の耐熱クラスは,JISに 定められている。選択肢のなかで,最高連続 使用温度[℃]が最も高い,耐熱クラスの指定 文字は。
- イ. A
- ロ. E
- ハ. F ✓ 正答
- ニ. Y
解説
最高許容温度を比較する
この問題は、絶縁材料の耐熱クラスとそれに対応する最高許容温度を暗記しているかで決まります。選択肢にあるY、A、E、Fを温度の低い順に並べると、Y(90℃)、A(105℃)、E(120℃)、F(155℃)となります。したがって、この中で最も高い温度を持つFが正解です。
絶縁材料の耐熱クラスとは
電気機器の内部には、コイルの被覆や絶縁物など、電気を遮断するための材料が使用されています。これらの材料は、電流による熱に長時間さらされると劣化して絶縁性能が失われ、やがて短絡や地絡といった故障を引き起こします。
この劣化を防ぐために定められているのが耐熱クラスです。JISでは、絶縁材料が長期間安定して使用できる温度の限界を規定しており、これを最高許容温度と呼びます。代表的なクラスの温度は以下の通りです。
- Yクラス:90℃
- Aクラス:105℃
- Eクラス:120℃
- Bクラス:130℃
- Fクラス:155℃
- Hクラス:180℃
- Cクラス:180℃を超えるもの
アルファベット順(YからCへ向かって)に温度が高くなる傾向がありますが、一部例外もあるため、数値とセットで覚えるのが確実です。
試験での判断プロセス
試験会場で迷わないためには、頭の中で温度の低い順に並べる作業を行います。
- 選択肢を確認する(イ:A、ロ:E、ハ:F、ニ:Y)
- それぞれの温度を思い出す(A:105、E:120、F:155、Y:90)
- 数値を比較し、最大値を選択する(155が最大)
この問題は、暗記さえできていれば数秒で解ける典型的な知識問題です。計算過程を必要としないため、ここで時間を節約し、他の難問に充てるのが合格への鉄則です。
現場でこの知識が果たす役割
この知識は、単なる試験対策にとどまらず、電気設備の設計やメンテナンスの現場で極めて重要です。
たとえば、モーターや変圧器を選定する際、設置環境や負荷に応じてどのクラスの機器を採用すべきかが決まります。もし、高温環境下で使用される機器に対して、低い耐熱クラスの材料しか使われていないものを選んでしまうと、早期の絶縁破壊につながります。また、既存の設備の改修や部品交換を行う際にも、元の部品が持つ耐熱性能を把握していないと、誤った部品を取り付けて重大な事故を招く恐れがあります。
このように、絶縁材料の耐熱クラスは、機器の寿命を決定づけ、安全を担保するための基礎知識として、電気技術者には必須の項目といえます。