2019年度 第一種電気工事士 筆記試験 問23 解説 変圧器の名称
写真に示す機器の名称は。
- イ. 電力需給用計器用変成器 ✓ 正答
- ロ. 高圧交流負荷開閉器
- ハ. 三相変圧器
- ニ. 直列リアクトル
解説
写真の機器は、箱型のケースに「電源側」「負荷側」といった接続端子表示があり、かつ側面に計器用端子箱(二次側端子台)を備えている点に注目します。高圧受電設備において、高電圧・大電流を計器で扱いやすい数値へ変換するために用いられる「計器用変成器(MOF)」の外観上の特徴を捉えることが正解への近道です。
計器用変成器(MOF)の役割
この機器は正式名称を「電力需給用計器用変成器(Metering Out Fit)」といい、略してMOFと呼ばれます。高圧受電設備の入り口付近に設置され、その名が示す通り「電力需給用」、すなわち電気料金を算出するための電力量計と組み合わせて使用されます。
高圧の電路に直接、電力量計を接続することは電圧・電流の大きさから不可能であるため、内部で変圧器(VT)と変流器(CT)を組み合わせ、計器用の電圧と電流に変換する役割を担っています。
外観による識別ポイント
試験会場で写真を見た際、以下の点を確認しましょう。
- 箱型の形状: 一般的な変圧器やリアクトルに比べて平坦で箱状のものが多く、設置面積を抑える設計になっています。
- 二次側端子箱: 写真の右側に見える四角い箱状の突起部分は、電力量計へ繋がる信号線を取り出すための二次側端子台です。他の電力機器にはない特徴的な部位です。
- 高圧ブッシングの配置: 「電源側」と書かれた印字付近に、高圧ケーブルを接続するためのブッシングが並んでいるのが確認できます。
実務における重要性
この機器は高圧受電設備において、電気の「入り口」を管理する非常に重要な役割を持っています。もしMOFが正しく機能しなければ、正しい電力量が計測できず、電気料金の計算に支障をきたします。また、MOFは高圧電路と低圧の測定回路を絶縁するという安全上の役割も果たしています。
試験対策としては、単なる名称の暗記にとどまらず、なぜこの機器が必要なのかをイメージすることが大切です。高圧受電設備全体を構成する機器のなかで、MOFは「計測」を担う唯一の窓口であると認識しておくと、他の機器(遮断器や断路器)との役割分担も明確になり、配電図の読み解きにも役立ちます。