2019年度 第一種電気工事士 筆記試験 問50 解説 変圧器のB種接地工事
⑤で示す変圧器の結線図において, B 種接地工事を施した図で, 正しいものは。
- イ.
- ロ.
- ハ. ✓ 正答
- ニ.
解説
この問題は、単相3線式と三相3線式を同時に供給できる変圧器結線(T結線またはV結線を変形させた特殊結線)において、B種接地工事をどこに施すべきかを問うものです。
正解にたどり着くための判断基準は、単相3線式の中心(中性点)を接地することです。単相3線式回路において、電圧のバランスを保ち、対地電圧を抑制するために、中性線(赤色で示されることが多い中点端子)に接地を施すことが技術基準で定められています。したがって、図中の単相3線式の真ん中の端子から接地線が出ているものを選べばよいことになります。
接地工事の目的と配置ルール
電気設備技術基準において、低圧電路に施設するB種接地工事は、高圧側と低圧側が混触した際に低圧側の対地電圧が異常上昇するのを防ぐために行われます。単相3線式回路の場合、中性点(中点)を接地することで、各相と対地間の電圧を安定させることが可能です。
この問題の回路構成は、単相3線式(105V/210V)と三相3線式(210V)を取り出せる変圧器結線です。このタイプの変圧器では、単相3線式の中性点となる端子を接地することで、回路全体の電位を規定し、安全を確保しています。
回路図から正解を導くプロセス
問題の選択肢を観察すると、すべて共通の変圧器の二次側結線図が示されています。ここで注目すべき点は以下の通りです。
- 二次側端子は5つあります。
- 左から3つの端子が単相3線式(1φ3W)を構成しています。その真ん中の端子が中性線です。
- 接地記号()がどの端子につながっているかを確認します。
選択肢「ハ」を見ると、接地線が単相3線式の中性点(真ん中の端子)に直接接続されています。これが技術基準に適合する正しい接続位置となります。他の選択肢のように端子の一端や無関係な位置に接地があるものは、対地電圧の安定化という目的を果たせません。
実務における接地工事の重要性
この知識は、実際の現場で変圧器を設置・結線する際に必須となるものです。もし接地位置を間違えてしまうと、単相3線式の電圧バランスが崩れ、負荷機器に対して異常電圧が加わるなどの重大な事故につながる恐れがあります。
試験問題としては、複雑に見える結線図の中から「単相3線式の中性線はどこか」という一点を見抜く力が試されています。実務では結線図の読み間違いは許されないため、このような問題を通じて、単相3線式や三相3線式の基本構造を回路図上で正確に把握する訓練を行うことが重要です。