令和2年度 第一種電気工事士 筆記試験 問48 解説 変流器の判別
③で示す部分に設置する機器と個数は。
- イ.
- ロ.
- ハ.
- ニ. ✓ 正答
解説
この問題の正解を導くためには、写真に写っている機器が何であるかを見抜き、その機器が三相回路においていくつ必要になるかという標準的なルールを適用します。
まず、写真の機器は変流器(CT)です。電線を通す穴が開いている貫通形や、導体が一体となっているタイプがありますが、これらは主回路の電流を計測用の小さな電流に変換し、電流計や継電器へ送るための計器用変成器です。
変流器の必要個数について
三相3線式回路において、電流計で各相の電流を確認したり、過電流継電器で保護したりするためには、一般的に2個の変流器を設置します。
なぜ2個なのかというと、三相3線式回路では各相の電流の和がゼロになるという関係があるためです。2線分の電流を計測できれば、残りの1線分の電流は計算によって導き出せるため、3つすべてに設置しなくても回路全体の監視や保護が可能になります。第一種電気工事士試験における標準的な受電設備の単線結線図では、変流器は2個設置として図示されることがほとんどです。
写真から判断する際のポイント
問題の写真では、選択肢のハとニにおいて、導体付きの貫通形変流器が示されています。問題文で指示されている「③で示す部分」が、一般的な高圧受電設備の引き込みや計器用変成器盤を指している場合、そこには三相回路の計測・保護のための変流器が2個並んで配置されるのが基本形です。
もしこれが1個であれば、単相回路や特殊な保護目的となりますが、試験に出題される高圧受電設備の標準構成では2個が正解となります。写真の「2個」と書かれた選択肢を選び出すことが、この問題のゴールとなります。
実務における知識の意義
変流器は単に電流を測るだけでなく、過電流が発生した際にその信号を保護継電器に伝え、遮断器(VCBなど)を動作させるという重要な役割を担っています。実務の現場では、変流器の極性(k, l)を間違えると電流値が正しく計測できず、保護装置が誤動作するリスクがあります。
試験問題としては写真で形状を判別する能力が問われていますが、現場では結線図と実物の端子記号を照らし合わせ、正しく設置する技術が求められます。単に「2個」と暗記するだけでなく、なぜ2個必要なのか、どの相に取り付けるのが一般的かといった回路理論と併せて理解しておくことが、試験合格後も役立つ知識となります。