第一種電気工事士試験 / 令和3年度 下期 学科試験 / 問2
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令和3年度 下期 学科試験 問2 解説 直流回路の抵抗計算

設問図

図のような直流回路において, 4つの抵抗R は同じ抵抗値である。回路の電流I3が12A であるとき, 抵抗Rの抵抗値[Ω]は。

  1. イ. 2
  2. ロ. 3 ✓ 正答
  3. ハ. 4
  4. ニ. 5

解説

この問題は、オームの法則 V=RIV = RI を用いて、回路の電圧と電流の関係から抵抗値を求めることで解決できます。以下の手順で計算を進めます。

  1. 電流 I3I_3 が流れる抵抗 RR にかかる電圧 V3V_3 を求める(並列回路なので、この部分の電圧は電源電圧 90V90V の一部)。
  2. 電流 I3I_3 が流れる抵抗 RR は電源と直列の抵抗 RR と組み合わさっているため、回路全体の合成抵抗 RtotalR_{total}RR を用いて表す。
  3. 全体電流 I1=V/RtotalI_1 = V / R_{total}I3I_3 の分流関係から RR を特定する。

回路内の電圧と電流のルール

この問題を解くための鍵は、キルヒホッフの法則とオームの法則です。回路図を見ると、電源 90V90V に対して、左端の抵抗 RR が直列に接続され、その後に 2R2R の直列回路と RR の抵抗が並列に接続されています。

まず、右側の並列回路にかかる電圧を VpV_p とします。この並列回路の合成抵抗 RpR_p は、直列に並ぶ 2R2R と単独の RR の並列接続であるため、以下の式で表されます。 1/Rp=1/(2R)+1/R=1/(2R)+2/(2R)=3/(2R)1/R_p = 1/(2R) + 1/R = 1/(2R) + 2/(2R) = 3/(2R) したがって、Rp=(2/3)RR_p = (2/3)R となります。

段階的な計算プロセス

まず、I3I_3 が流れる経路は RR ですので、並列回路にかかる電圧 VpV_pVp=R×I3=R×12V_p = R \times I_3 = R \times 12 となります。

次に、回路全体を流れる電流 I1I_1 を考えます。回路全体の合成抵抗 RtotalR_{total} は、左側の RR と並列回路の RpR_p を足したものなので、Rtotal=R+(2/3)R=(5/3)RR_{total} = R + (2/3)R = (5/3)R です。 全電流 I1I_1 は電源電圧 90V90V を用いて、I1=90/((5/3)R)=270/(5R)=54/RI_1 = 90 / ((5/3)R) = 270 / (5R) = 54 / R と表せます。

キルヒホッフの電流則により、I1=I2+I3I_1 = I_2 + I_3 が成り立ちます。 並列回路の電圧 VpV_p が共通であることを利用すると、I2=Vp/(2R)=(12R)/(2R)=6AI_2 = V_p / (2R) = (12R) / (2R) = 6A と分かります。 したがって、I1=6A+12A=18AI_1 = 6A + 12A = 18A です。

最後に、全電流 I1=18AI_1 = 18A を先ほどの式 I1=54/RI_1 = 54 / R に代入します。 18=54/R18 = 54 / R R=54/18=3R = 54 / 18 = 3 答えは 3Ω3\Omega となります。

電気回路における設計思想

この問題は、複雑な回路を「等価回路」に置き換えて考える能力を問うています。実際の電気設備設計においても、負荷が並列に接続されることは非常に多く、それぞれの枝分かれした線路にどの程度の電流が流れるかを計算することは、ブレーカーの容量選定や配線の太さ決定に不可欠なプロセスです。

本問のような「直並列が混在する回路」を解くことは、理論的な計算スキルを養うだけでなく、配電系統における電圧降下の計算や、複数の負荷が接続された際の電流バランスを理解するための基礎となります。試験における計算問題は単なる暗記ではなく、電流の通り道を可視化し、ルール通りに分解していく論理的な思考トレーニングそのものといえます。

参考リンク

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