第一種電気工事士試験 / 令和3年度 下期 学科試験 / 問21
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令和3年度 下期 学科試験 問21 解説 B種接地抵抗の計算

B 種接地工事の接地抵抗値を求めるのに必要 とするものは。

  1. イ. 変圧器の高圧側電路の1線地絡電流 [A] ✓ 正答
  2. ロ. 変圧器の容量 [kV・A]
  3. ハ. 変圧器の高圧側ヒューズの定格電流 [A]
  4. ニ. 変圧器の低圧側電路の長さ [m]

解説

B種接地工事の抵抗値算出に必要な要素

B種接地工事の接地抵抗値は、変圧器の高圧側電路の1線地絡電流を II [A] としたとき、以下の式に基づいて算出されます。

R=150IR = \frac{150}{I} または 600I\frac{600}{I} [Ω]

この式からわかる通り、接地抵抗値を決めるために直接必要な値は「1線地絡電流」です。したがって、選択肢イが正解となります。

地絡電流と安全性の関係

B種接地工事は、高圧または特別高圧の電路と低圧の電路を結合する変圧器において、低圧側に施される接地工事です。もし高圧側で地絡事故が発生した際、その電流が低圧側に混触すると、低圧側の電位が危険なほど上昇してしまいます。

このとき、接地抵抗値を適切に低く抑えることで、低圧側の電位上昇を抑制し、感電などの事故を防ぐ役割を果たします。地絡電流 II が大きければ大きいほど、より低い接地抵抗値が求められるという関係性にあります。分母にある II が大きくなれば、計算結果である RR が小さくなるのは、より厳しい条件(低い抵抗値)で接地を強化しなければならないという物理的な要請に基づいています。

実務における接地設計の考え方

試験問題では単に公式を覚えることが求められますが、現場での設計においては、この地絡電流 II をどのように算出するかが重要です。地絡電流は電線の長さ、対地静電容量、あるいは事故点までのインピーダンスによって変化します。

また、高圧側の保護装置(遮断器など)が事故を検知して遮断するまでの時間によって、前述の「150」という数値を「300」や「600」に緩和できる規定があります。この計算を行うためには、単に変圧器の容量を知るだけでは不十分であり、電力会社から提供される地絡電流の値や、系統の構成要素を正しく把握しなければなりません。この問題は、接地工事が単なる「とりあえず地中に埋める作業」ではなく、系統全体の事故特性に基づいて計算されるべき技術的なプロセスであることを示しています。

試験合格に向けたポイント

この分野は「数値」の暗記と「定義」の理解がセットです。特に以下の点は頻出です。

  • B種接地抵抗は、高圧側電路の1線地絡電流をもとに算出すること。
  • 規定の時間を超えて地絡事故が継続しない場合は、分子を緩和できること。
  • 変圧器の容量やヒューズの定格電流そのものではなく、あくまで「地絡事故時に流れる電流」が物理的な根拠であること。

計算式が分母に電流を置くタイプなのか、分子を置くタイプなのかを混同しないように整理しておきましょう。

参考リンク

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