第一種電気工事士試験 / 令和3年度 上期 筆記試験 / 問21
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令和3年度 上期 筆記試験 問21 解説 避雷器の機能

高圧受電設備に雷その他による異常な過大 電圧が加わった場合の避雷器の機能として, 適切なものは。

  1. イ. 過大電圧に伴う電流を大地へ分流することによって過大電圧を制限し, 過大電圧が過ぎ去った後に,電路を速やかに健全な状態に回復させる。 ✓ 正答
  2. ロ. 過大電圧が侵入した相を強制的に切り離し回路を正常に保つ。
  3. ハ. 内部の限流ヒューズが溶断して,保護すべき電気機器を電源から切り 離す。
  4. ニ. 電源から保護すべき電気機器を一時的に切り離し,過大電圧が過ぎ 去った後に再び接続する。

解説

避雷器の役割を直感的に捉える

避雷器(LA:Lightning Arrester)は、異常な過大電圧(雷サージなど)が侵入した際に、瞬時に大地へ放電することで機器を保護する装置です。ポイントは「異常な電圧を制限すること」と「放電後、通常の電路に影響を与えないよう元の状態に戻ること」の2点です。選択肢のうち、この動作を正確に説明しているのは「イ」となります。

避雷器の動作メカニズム

避雷器の役割は、大きく分けて「制限電圧」と「続流遮断」という2つのステップで理解できます。

  1. 放電機能(過大電圧の制限) 通常の状態では、避雷器は絶縁体として機能しており、電路に電流は流れません。しかし、落雷などによって制限電圧を超える異常な高電圧が加わると、内部の素子が瞬時に導通状態となり、過大な電流を大地へと逃がします。これにより、機器にかかる電圧を一定レベル以下に抑え込みます。

  2. 続流遮断(健全状態への回復) 異常電圧が過ぎ去った後、そのまま放電を続けてしまうと、電源からの通常電流までが大地に流れ続けてしまいます。これを「続流」と呼びます。避雷器にはこの続流を遮断し、電路を元の健全な絶縁状態に戻す機能が備わっています。

誤答選択肢から学ぶ設計意図

他の選択肢は、電気設備の保護機器としての役割としては的を射ていないか、別の機器の説明となっています。

  • ロ:電路を切り離すのは遮断器の役割です。避雷器は「切り離す」のではなく「放電して逃がす」ことで機器を守ります。
  • ハ:ヒューズが溶断して回路を切り離すのは、過電流保護装置の動作です。避雷器はヒューズのように溶断して使い捨てになるものではありません。
  • ニ:一時的に接続を切り離して再接続する装置は避雷器の定義に含まれません。

試験作成者は、避雷器を「遮断器(切る)」や「ヒューズ(溶かす)」といった他の保護装置と混同していないかを問うています。避雷器は「逃がして戻す」という、自己復帰型の保護機器であるという性質を理解することが重要です。

実務における避雷器の重要性

この知識は、高圧受電設備の設計や保守において必須です。例えば、受変電設備の引き込み口付近に避雷器が設置されているのは、建物内に高電圧が侵入するのを入り口で防ぐためです。

現場での点検時には、避雷器の「放電計(カウンタ)」を確認します。これが動いていれば、過去に落雷等によって避雷器が働いたことがわかります。もし、避雷器が正常に機能しなければ、トランスや進相コンデンサなどの高価な電気機器が絶縁破壊を起こし、大事故に繋がる恐れがあります。避雷器は、いわば電気設備の「身代わり」となって機器を守る非常に重要な保安設備なのです。

参考リンク

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