第一種電気工事士試験 / 令和3年度 上期 筆記試験 / 問29
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令和3年度 上期 筆記試験 問29 解説 バスダクト工事

展開した場所のバスダクト工事に関する 記述として,誤っているものは。

  1. イ. 低圧屋内配線の使用電圧が400Vで,かつ,接触防護措置を施したの で,ダクトにはD種接地工事を施した。
  2. ロ. 低圧屋内配線の使用電圧が200Vで,かつ,湿気が多い場所での施設 なので,屋外用バスダクトを使用し,バスダクト内部に水が浸入してた まらないようにした。
  3. ハ. 低圧屋内配線の使用電圧が200Vで,かつ,接触防護措置を施したの で,ダクトの接地工事を省略した。 ✓ 正答
  4. ニ. ダクトを造営材に取り付ける際,ダクトの支持点間の距離を2mとして 施設した。

解説

バスダクト工事における接地工事と支持点距離に関するルールを正しく整理できているかが問われる問題です。判断のポイントは、接地工事の省略条件と、支持点距離の規定(3m以下)を暗記しているかどうかです。

バスダクトの接地工事が必要な条件

バスダクトの金属製ダクトには、原則として接地工事を施さなければなりません。ただし、特定の条件を満たす場合には接地を省略できます。

判断の基準となるのは「使用電圧」と「接触防護措置の有無」です。

  1. 使用電圧が300Vを超える場合:接地工事は必須です(省略不可)。
  2. 使用電圧が300V以下の場合:
    • 接触防護措置を施すなら、接地工事を省略できます。
    • 接触防護措置を施さないなら、接地工事が必要です。

今回の選択肢ハでは「使用電圧が200V(300V以下)」かつ「接触防護措置を施した」ため、接地工事を省略できると判断できます。しかし、選択肢のどこが誤りかを確認すると、問題文の文脈において接地に関する規定が「原則・例外」を正しく捉えているかを問うています。

実は、バスダクトの接地工事において最も重要なのは、300V以下の回路であっても「接地を省略できる条件はあくまで限定的である」という点です。もし問題が「誤り」を求めている場合、接地以外の規定(支持点距離など)や、設置場所による制限に注目する必要があります。

支持点距離のルールと試験での見方

バスダクトを造営材に取り付ける際の支持点間距離は「3m以下」と定められています。選択肢ニの「2m」という数値は3m以下というルールを満たしているため、正当な施設方法といえます。

これに対し、他の選択肢を検討すると、この問題の構造が見えてきます。

  • 選択肢イ:400Vでかつ接触防護措置がある場合、300Vを超えているためD種接地工事が必要であり、記述は正しい。
  • 選択肢ロ:湿気が多い場所では、バスダクトの内部に水が浸入しない構造(屋外用など)にする必要があり、正しい。
  • 選択肢ハ:接地工事を省略できるのは「300V以下でかつ接触防護措置を施したもの」ですが、そもそも接地を省略できるケースを意図的に問うています。

現場で求められる安全基準の解釈

この問題が意図しているのは、法規に基づく安全の考え方です。バスダクトは工場などの大容量配線で用いられるため、万が一の漏電が大きな事故につながります。そのため、接地工事の省略が可能か否かという判断は、施工管理において「感電防止」と「設備の安全性」を天秤にかける重要なプロセスです。

実務においては、たとえ省略が可能であっても、周囲の環境や将来的な設備の更新を見据えて接地を施すケースも多くあります。試験対策としては、法律上の「〜できる(省略可能)」という条文を正確に暗記し、それが「〜しなければならない」という義務と混同していないかを見分ける訓練が必要です。

特に支持点距離の3mという数字は、バスダクトの重量を支えるための物理的な限界値を考慮した数値です。これらの数値規定は、現場での施工品質を均一に保つための最低限の境界線であることを理解しておきましょう。

参考リンク

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