令和3年度 上期 筆記試験 問37 解説 絶縁耐力試験電圧
公称電圧6.6kVの交流電路に使用するケー ブルの絶縁耐力試験を直流電圧で行う場合の 試験電圧[V]の計算式は。
- イ. 6600×1.5×2
- ロ. 6600×1.15/1.1×1.5×2 ✓ 正答
- ハ. 6600×2×2
- ニ. 6600×1.15/1.1×2×2
解説
試験電圧の計算は、対象が交流か直流か、そしてその電圧の基準が何であるかを整理することで解くことができます。今回の問題は、以下の3つのステップで式を組み立てます。
- 公称電圧を最大使用電圧に変換する(公称電圧の1.15/1.1倍)
- 最大使用電圧に対して交流での試験倍率(1.5倍)をかける
- 直流で試験を行う場合は、交流の試験電圧の2倍とする
試験電圧決定のルール
電気設備の技術基準の解釈では、電路の絶縁性能を確認するために、最大使用電圧に応じた試験電圧が規定されています。まず、公称電圧である 6.6 kV を、電線が耐えるべき最大使用電圧に直す必要があります。これには 1.15/1.1 を乗じます。
次に、この最大使用電圧に対し、交流で試験を行う場合はその 1.5 倍の電圧を加えます。これが基本となります。今回のように「直流で試験を行う場合」は、この交流での試験電圧にさらに 2 を乗じる必要がある、というのがルールです。
つまり、式は となります。
思考のステップ
この問題を解く際は、以下の順序で情報を組み立てていくと迷いません。
まず、電路の「最大使用電圧」を求めます。公称電圧 6.6 kV は基準となる値に過ぎないため、これを運用上の最大電圧(1.15/1.1)に引き上げます。次に、「交流か直流か」を確認します。交流試験であれば 1.5 倍して終わりですが、直流試験という指定があれば、さらに 2 倍するという追加のステップがあることを想起します。
試験では倍率を混同させることが多いため、「交流は1.5倍」「直流はその2倍」というセットで記憶しておくことがポイントです。
なぜこの試験が必要なのか
絶縁耐力試験は、ケーブルが絶縁破壊を起こさずに安全に使用できるかを竣工前や定期点検で確認するための非常に重要なプロセスです。
実際の現場では、現場の設備規模や測定器の制約によって、交流試験装置を持ち込めない場合に直流耐圧試験が行われることがあります。例えば、長距離のケーブル敷設時などはケーブル自体の静電容量が大きく、交流試験装置では巨大な電源容量を必要としてしまうため、比較的小型の電源で対応できる直流試験が選ばれる場面があります。この知識は、単に試験の計算問題を解くためだけでなく、現場でどのような試験方法を選択すべきかという判断の基礎にもなっています。