第一種電気工事士試験 / 令和3年度 上期 筆記試験 / 問39
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令和3年度 上期 筆記試験 問39 解説 電気工事業法

「電気工事業の業務の適正化に関する法律」 において,電気工事業者の業務に関する記述 として,誤っているものは。

  1. イ. 営業所ごとに,絶縁抵抗計の他,法令に定められた器具を備えなければならない。
  2. ロ. 営業所ごとに,電気工事に関し,法令に定められた事項を記載した帳簿を備えなければならない。
  3. ハ. 営業所及び電気工事の施工場所ごとに,法令に定められた事項を記載した標識を掲示しなければならない。
  4. ニ. 通知電気工事業者は,法令に定められた主任電気工事士を置かなければならない。 ✓ 正答

解説

電気工事業法における「登録電気工事業者」と「通知電気工事業者」の定義の違いを突く問題です。結論から言えば、試験の合否を分けるポイントは「主任電気工事士の設置義務が、どの事業者に課されているか」を明確に区別できているかどうかにあります。

電気工事業者の種類と義務の比較

電気工事業法では、行う電気工事の形態によって事業者の区分が異なります。試験で問われる主な区分は以下の3つです。

  1. 登録電気工事業者:一般用電気工作物の工事を行うために登録を受けた者
  2. 通知電気工事業者:自家用電気工作物の工事のみを行うために通知した者(すでに電気工事業の登録を受けている者、または建設業の許可を受けている者が対象)
  3. みなし登録電気工事業者:建設業の許可を受けている者が、登録を受けて電気工事業を営む者

選択肢ニにある「主任電気工事士」の設置義務は、一般用電気工作物の安全を確保するために特に重要です。そのため、一般用電気工作物の工事を担う「登録電気工事業者」には必置義務がありますが、自家用電気工作物のみを扱う「通知電気工事業者」には、法令上、主任電気工事士の設置義務は課されていません。

引っかかりやすいポイントと判断の論理

この問題を解く際は、選択肢を一つずつ「この条件はどちらの業者に適用されるか」と読み替えるのが近道です。

イの器具の備え付け、ロの帳簿の備え付け、ハの標識の掲示。これらは電気工事業を行う上で、どの業者であっても安全管理や施工責任を明確にするために不可欠な義務です。これらに対して、主任電気工事士は「一般用電気工作物の保安」を専門的に監督する立場です。

通知電気工事業者は、主に自家用電気工作物の工事に従事するため、一般用電気工作物特有の技術基準を守るための「主任電気工事士」を置く義務はない、と対比させると覚えやすくなります。試験では「通知」という言葉が出てきたら、「一般用ではない(自家用専門)」と即座に反応できるよう訓練しておくことが重要です。

実務における位置づけと試験の意図

この知識は、実際に工事現場で「誰がどのような資格で責任を負っているか」を確認する実務能力を問うものです。

電気工事士試験でこの問題が出題される意図は、単なる暗記の確認にとどまりません。電気工事の現場では、自分の担当する現場が「一般用」なのか「自家用」なのか、そして会社としてどのような届出を行っているのかを把握することが第一歩となります。仮に将来、電気工事業の開業や管理業務に携わる場合、この法律知識を知らないことは、無許可営業や届出違反という大きなリスクに直結します。

法律は、事業の規模や対象とする工作物のリスクに応じて、管理体制の要件を変えています。「一般用」という比較的リスクが高い(不特定多数が関わる)環境には厳しい縛りを設け、「自家用」には別の基準を設けているという法制化の背景を理解しておくと、試験本番で迷った際にも論理的な推論が可能になります。

参考リンク

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