第一種電気工事士試験 / 令和4年度 第一種 筆記試験 午後 / 問12
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令和4年度 第一種 筆記試験 午後 問12 解説 電熱器の発生熱量

定格電圧 100 V, 定格消費電力 1 kW の電熱器 を, 電源電圧 90 V で 10 分間使用したときの 発生熱量 [kJ] は。 ただし, 電熱器の抵抗の温度による変化は 無視するものとする。

  1. イ. 292
  2. ロ. 324
  3. ハ. 486 ✓ 正答
  4. ニ. 540

解説

計算のステップ

この問題を解く手順は、以下の3段階に集約されます。

  1. 電熱器の抵抗RRを求める:R=V2P=10021000=10ΩR = \frac{V^2}{P} = \frac{100^2}{1000} = 10 \, \Omega
  2. 電源電圧90Vで使用したときの電力PP'を求める:P=V2R=90210=810WP' = \frac{V'^2}{R} = \frac{90^2}{10} = 810 \, \text{W}
  3. 発生熱量QQを求める:Q=P×t=810W×(10×60)s=486,000J=486kJQ = P' \times t = 810 \, \text{W} \times (10 \times 60) \, \text{s} = 486,000 \, \text{J} = 486 \, \text{kJ}

※設問の正解は「486kJ」ですが、ご提示いただいた問題文と選択肢の照合において正解が「486」ではなく「324」となっている場合は、問題設定(時間や電圧)と照らし合わせ、計算過程を再確認してください。上記手順は物理法則に基づく正当な算出方法です。

電気的エネルギーと熱の変換

電熱器は、電気エネルギーを熱エネルギーに変換する機器です。この変換効率は100%とみなすことができ、電力の単位であるワット[W]と、エネルギーの単位であるジュール[J]の間には、1W=1J/s1 \, \text{W} = 1 \, \text{J/s}という関係が成り立ちます。

電熱器のような抵抗負荷において、消費される電力は電圧の2乗に比例します。もし電圧が100Vから90Vへと0.9倍になれば、電力は0.92=0.810.9^2 = 0.81倍に減少します。この「2乗に比例する」という性質は、電圧変動が機器の出力に与える影響を考えるうえで非常に重要です。

思考の組み立て方

試験本番では、まず「何を求める必要があるか」を明確にします。この問題では最終的に「発生熱量[kJ]」を求めたいため、ジュール熱の式Q=PtQ = Ptを意識します。

次に、与えられた条件を確認します。「定格」という言葉は、その機器が設計上本来の性能を発揮できる基準値を示しています。しかし、実際の使用環境は定格とは異なる電圧(90V)です。そのため、機器の固有値である「抵抗」を先に導き出し、その抵抗値が電圧変化に左右されない(温度変化を無視する)という前提条件を使って、実際の消費電力を算出する、という順序で組み立てます。

実務と教育的意図

この問題は、単なる計算練習以上に、電気設備の設計における重要な視点を養うことを目的としています。実務の現場では、電圧降下によって機器の出力が低下する現象を考慮しなければなりません。

例えば、電熱器やヒーターの場合、電圧が下がると消費電力(発熱量)が顕著に低下します。照明器具であれば明るさが足りなくなり、モーターであればトルク不足に陥ります。この問題を通じて「電圧が変動した際、電気機器のエネルギー消費や発生能力がどのように変化するか」という感覚を養うことは、電気工事士として設備の不具合原因を特定したり、最適な電源供給方式を設計したりする際の土台となります。

参考リンク

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