令和4年度 第一種 筆記試験 午後 問34 解説 高圧連系コンデンサ
⑤に示す高圧連系コンデンサに用いる開閉装置は,自動力率調整装置により自動で開閉できるよう施設されている。このコンデンサ用開閉装置として,最も適切なものは。
- イ. 高圧交流真空電磁接触器 ✓ 正答
- ロ. 高圧交流真空遮断器
- ハ. 高圧交流負荷開閉器
- ニ. 高圧カットアウト
解説
この問題の正解を導くための鍵は、コンデンサ回路における開閉頻度と、それに対応可能な開閉装置の機械的・電気的耐久性の違いを理解することにあります。
高圧コンデンサの開閉には耐久性が重要
高圧連系コンデンサを自動力率調整装置(APFR)によって制御する場合、負荷の変動に応じて頻繁な投入・遮断が繰り返されます。このとき、開閉装置には高い開閉頻度に耐えられる性能が求められます。
選択肢の中から選ぶべきは、高圧交流真空電磁接触器(VMC:Vacuum Magnetic Contactor)です。真空遮断器(VCB)と比較して、VMCは電磁操作による頻繁な開閉に特化した構造をしており、高頻度の操作でも接点の劣化や機械的な摩耗が少なく、長期間の運用に適しています。
なぜ他の装置では不十分なのか
高圧コンデンサの回路において、遮断器(VCB)は主に事故時の遮断や、開閉頻度がそれほど高くない回路の制御に用いられます。これに対し、VMCはコンデンサの切り替えのような頻繁な動作を前提とした設計です。
もし頻繁な開閉が必要な場所で機械的強度が低い装置や、アーク消弧能力がコンデンサの開閉に適さない装置を選択してしまうと、接点の溶着や早期故障を招く恐れがあります。試験において「自動力率調整装置による開閉」というキーワードが出てきたら、即座に「高頻度開閉」と読み替え、それに最も適した装置であるVMCを想起することが重要です。
実務現場における適材適所の判断
この問題は、単に知識を暗記しているかだけでなく、各機器の特性を理解して現場に適用できるかを問うています。高圧受電設備において、高圧電路の開閉器は以下のように使い分けます。
・遮断器(VCB):故障電流の遮断が可能であり、通常の系統開閉に用いる。 ・電磁接触器(VMC):故障電流の遮断はできない(または限られる)が、高い操作頻度に耐える設計になっており、モーターの始動やコンデンサの制御に用いる。
設計や保守の現場では、コンデンサ容量と負荷変動のパターンを確認し、どれくらいの頻度で開閉が行われるかを予測する必要があります。自動制御を前提とした回路では、必ずVMCのような高頻度操作に耐える機器を選定しなければならないというエンジニアとしての基本原則が、この問題の根底にあります。