第一種電気工事士試験 / 令和4年度 第一種電気工事士 筆記試験 / 問8
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令和4年度 第一種電気工事士 筆記試験 問8 解説 需要率と負荷率

設備容量が400kWの需要家において,ある 1日(0~24時)の需要率が60%,負荷率が 50%であった。 この需要家のこの日の最大需要電力PM[kW] の値と,この日一日の需要電力量W[kW・h] の値の組合せとして,正しいものは。

  1. イ. PM=120 W=5760
  2. ロ. PM=200 W=5760
  3. ハ. PM=240 W=4800
  4. ニ. PM=240 W=5760 ✓ 正答

解説

最大需要電力と電力量の計算手順

この問題は、与えられた2つの定義式を順番に適用することで確実に正解を導き出せます。

  1. 最大需要電力 PM[kW]P_M [kW] を求める 最大需要電力は、設備容量に需要率を掛けることで算出します。 PM=400×0.6=240[kW]P_M = 400 \times 0.6 = 240 [kW]

  2. 需要電力量 W[kWh]W [kWh] を求める 需要電力量は、最大需要電力に時間(24時間)と負荷率を掛けることで算出します。 W=PM×24×0.5=240×24×0.5=2880[kWh]W = P_M \times 24 \times 0.5 = 240 \times 24 \times 0.5 = 2880 [kWh]

需要率と負荷率の定義

電気設備の設計や運用において、需要率と負荷率は非常に重要な指標です。

需要率は、ある期間中の最大需要電力と設備容量の比率を指します。 需要率 [%]=最大需要電力設備容量×100[\%] = \frac{\text{最大需要電力}}{\text{設備容量}} \times 100 この式から分かる通り、最大需要電力は設備容量に対して実際にどれだけの電力が使われるかを示す指標となります。

次に負荷率は、ある期間中の平均需要電力と最大需要電力の比率です。 負荷率 [%]=平均需要電力最大需要電力×100[\%] = \frac{\text{平均需要電力}}{\text{最大需要電力}} \times 100 ここで平均需要電力は、期間中の総電力量を時間で割ったもの(W/時間W / \text{時間})と等しいため、変形すると W=PM×時間×負荷率W = P_M \times \text{時間} \times \text{負荷率} という関係式が導かれます。

思考のステップ

この問題を解く際には、式の依存関係を整理することがポイントです。まず「最大需要電力」を特定しなければ「電力量」を計算できないという順序を意識してください。

試験本番では、数値の計算ミスを防ぐために以下の順で情報を書き出します。

  • 設備容量:400kW
  • 需要率:0.6
  • 負荷率:0.5
  • 期間:24時間

計算の際、負荷率の定義式を「平均需要電力=最大需要電力×負荷率」と変換し、そこに24時間を掛けて電力量を出すという手順を脳内でショートカットできるようになると、計算時間を大幅に短縮できます。

設備計画における活用場面

需要率や負荷率は、電気設備の規模を決定する際の重要な判断材料です。例えば、工場やビルを設計する際、全ての機器を同時に使用することは稀であるため、設備容量をそのまま電力会社の受電契約に適用すると、過大な基本料金を支払うことになってしまいます。

需要率を用いることで「契約電力」を適正化し、過大な設備投資や無駄な基本料金を抑えることができます。また、負荷率は電力系統の利用効率を示します。負荷率が高いということは、電力が一定して消費されていることを意味し、電力供給側にとっては発電所の稼働率を安定させやすいというメリットがあります。これらの概念は、電気工事士として現場で機器選定を行う際や、省エネコンサルティングなどを行う際の基礎的な言語となります。

参考リンク

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