第一種電気工事士試験 / 令和4年度 第一種電気工事士 筆記試験 / 問10
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令和4年度 第一種電気工事士 筆記試験 問10 解説 インバータ速度制御

かご形誘導電動機のインバータによる速度 制御に関する記述として,正しいものは。

  1. イ. 電動機の入力の周波数を変えることによって速度を制御する。 ✓ 正答
  2. ロ. 電動機の入力の周波数を変えずに電圧を変えることによって速度を制御する。
  3. ハ. 電動機の滑りを変えることによって速度を制御する。
  4. ニ. 電動機の極数を切り換えることによって速度を制御する。

解説

この問題は、誘導電動機の回転速度と周波数の関係を理解していれば即答できます。同期速度 NsN_s と周波数 ff の関係式 Ns=120f/pN_s = 120f / ppp は極数)を思い浮かべ、インバータの役割が「周波数を自由に変えること」であると結びつけるのが正解への最短ルートです。

誘導電動機の速度制御とインバータの役割

かご形誘導電動機の回転速度 NN は、同期速度 NsN_s からすべり ss を考慮した N=Ns(1s)N = N_s(1 - s) という式で表されます。ここで同期速度 NsN_sNs=120f/pN_s = 120f / p となるため、極数 pp を変えずに回転速度を調整するには、周波数 ff を変化させるのが最も効率的かつ滑らかな方法です。

インバータは、商用電源の交流を一度直流に変換し、それを再び任意の周波数と電圧の交流に変換する装置です。つまり、インバータを使うことで、電源周波数に縛られず、電動機の回転速度を自在に操ることができるようになります。

正解を導くための思考プロセス

試験問題において「インバータによる速度制御」というキーワードが出た場合、以下の順序で情報を整理します。

  1. 回転速度を制御したいのかを確認する。
  2. 誘導電動機の原理式 Ns=120f/pN_s = 120f / p を想起する。
  3. インバータの機能である「周波数の可変」と、式の中の ff を結びつける。
  4. 選択肢の中で、周波数を変化させて同期速度を制御している記述を探す。

逆に、他の制御方法(二次抵抗制御や極数変換)と混同しないよう注意が必要です。二次抵抗制御は巻線形誘導電動機で使われる手法であり、かご形には適用できません。また、極数変換はステップ状にしか速度を変えられないため、インバータのような無段階かつ広範囲な速度制御には適しません。

実務現場におけるインバータの重要性

現場において、インバータは単なる速度制御装置にとどまらず、省エネ機器の要として活用されています。例えば、空調機のファンやポンプの流量を制御する際、ダンパやバルブで流れを絞る方法はエネルギーの損失が大きいですが、インバータを用いてモーターの回転数そのものを落とせば、必要な分だけ電力を消費するため大幅な節電が可能です。

この問題の教育的意図は、モーターを回すための基礎的な物理法則を理解しているかと、現代の電気設備において標準的な制御技術であるインバータの役割を正しく認識しているかを問うことにあります。第一種電気工事士としては、単に合格のための暗記にとどまらず、現場でインバータを扱う際に「なぜ周波数を変えると回転数が変わるのか」という理論的背景を理解しておくことが、トラブル対応やシステム設計の基礎となります。

参考リンク

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