第一種電気工事士試験 / 令和4年度 第一種電気工事士 筆記試験 / 問22
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令和4年度 第一種電気工事士 筆記試験 問22 解説 高圧カットアウト

設問図

写真に示す品物の用途は。

  1. イ. 容量300kV・A未満の変圧器の一次側保護装置として用いる。
  2. ロ. 保護継電器と組み合わせて,遮断器として用いる。
  3. ハ. 電力ヒューズと組み合わせて,高圧交流負荷開閉器として用いる。
  4. ニ. 停電作業などの際に,電路を開路しておく装置として用いる。 ✓ 正答

解説

写真に写っている機器が、消弧装置を持たない「断路器(DS)」であることを識別します。電路の開閉能力を持たないため、停電作業時の安全確保(物理的な回路の切り離し)が主目的であると判断します。

断路器の役割と見分け方

写真の機器は、導電部がむき出しになっており、可動接点と固定接点がシンプルに噛み合う構造をしています。電気工事士試験において、この形状は「断路器(Disconnecting Switch: DS)」の代表的な姿です。

断路器の最大の特徴は、負荷電流や短絡電流を遮断する能力が全くないという点です。したがって、通電中に開閉操作をするとアークが発生し、機器の損傷や重大な事故につながる恐れがあります。そのため、必ず遮断器(CB)や負荷開閉器(LBS)で電流をゼロにしてから操作する、という前提条件が非常に重要です。

なぜ他の選択肢が不適切なのか

選択肢の誤りを正しく理解することで、高圧機器の知識が整理されます。

・選択肢イの「容量300kV・A未満の変圧器の一次側保護装置」として用いられるのは、主に高圧カットアウト(PC)です。PCはヒューズによる溶断で保護する機能があるため、断路器とは用途が異なります。 ・選択肢ロの「保護継電器と組み合わせて遮断器として用いる」のは、その名の通り遮断器(Circuit Breaker: CB)です。CBはアークを消す強力な消弧室を持っており、故障電流を安全に遮断できます。 ・選択肢ハの「電力ヒューズと組み合わせて高圧交流負荷開閉器として用いる」のは、LBS(Load Break Switch)のことです。LBSは開閉能力はありますが、遮断能力は限定的なため、大電流を流す場合はヒューズと組み合わせます。今回の断路器は、このLBSよりもさらに開閉能力が制限された、いわば「物理的な切り離し専用機」です。

現場における実務と試験のつながり

断路器は、電力会社から受電するキュービクル内の機器配置を学ぶ上で必須の知識です。特に「停電作業時の安全確保」という用途は、まさに電気工事士が現場で真っ先に行う「電源の切り離しと検電」のプロセスそのものです。

回路を点検したり、機器を交換したりする際、遮断器を開いた状態であっても、万が一の誤投入を防ぐために断路器を開放し、さらに必要に応じて短絡接地器具を取り付けることで、作業者の命を守ります。試験問題としては単なる暗記項目に見えますが、実務上の「安全のための手順」を理解しているかを問う、非常に本質的な問題と言えます。

参考リンク

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