第一種電気工事士試験 / 令和5年度 学科試験 / 問1
certification-simodake-work

令和5年度 学科試験 問1 解説 エネルギーの計算

設問図

図のような直流回路において, 電源電圧 20 V, R=2 Ω, L=4 mH 及び C=2 mF で, R と L に電流 10 A が流れている。L に蓄え られているエネルギーWL[J]の値と, C に蓄 えられているエネルギーWC[J]の値の組合せ として, 正しいものは。

  1. イ. WL=0.2 WC=0.4 ✓ 正答
  2. ロ. WL=0.4 WC=0.2
  3. ハ. WL=0.6 WC=0.8
  4. ニ. WL=0.8 WC=0.6

解説

この問題は、コイルとコンデンサに蓄えられるエネルギーの公式に、与えられた数値を代入することで解くことができます。

コイルのエネルギー WL=12LI2W_L = \frac{1}{2}LI^2 コンデンサのエネルギー WC=12CV2W_C = \frac{1}{2}CV^2

手順として、まずコイルのインダクタンス L=4×103HL = 4 \times 10^{-3} \, \text{H} と電流 I=10AI = 10 \, \text{A} を代入し、WL=0.5×(4×103)×102=0.2JW_L = 0.5 \times (4 \times 10^{-3}) \times 10^2 = 0.2 \, \text{J} を求めます。次にコンデンサの静電容量 C=2×103FC = 2 \times 10^{-3} \, \text{F} と直流回路における端子電圧 V=20VV = 20 \, \text{V} を代入し、WC=0.5×(2×103)×202=0.4JW_C = 0.5 \times (2 \times 10^{-3}) \times 20^2 = 0.4 \, \text{J} を求めます。結果、イの組み合わせが正解となります。

エネルギーの貯蔵に関する基本原理

コイル(インダクタ)は電流の変化に対して磁界の形でエネルギーを蓄える素子であり、その蓄積量は電流の二乗に比例します。一方、コンデンサは電極間の電位差(電圧)に対して電界の形でエネルギーを蓄える素子であり、蓄積量は電圧の二乗に比例します。直流回路において、定常状態にあるとき、コンデンサは充電が完了しており、その電圧は並列に接続された回路の電圧と等しくなります。

直流回路における定常状態の読み解き方

この問題で重要なのは、回路が直流であるという点です。直流の定常状態では、コイルは単なる導線(理想的なコイルの場合、内部抵抗は無視されるため短絡状態)として振る舞い、コンデンサは回路を遮断する役割を果たします。図を見ると、電源 20V20 \, \text{V} に対して抵抗 RR とコンデンサ CC が並列に接続されており、この並列回路全体に電源電圧の 20V20 \, \text{V} が印加されている状態であることがわかります。したがって、コンデンサに加わる電圧を 20V20 \, \text{V} と判断できるかどうかが、計算の正否を分けるポイントとなります。

実務および試験における応用

電気設備におけるエネルギー蓄積の概念は、単なる試験問題にとどまらず、遮断器の遮断能力や、過渡現象の理解において必須の知識です。例えば、大きな誘導負荷(モーターなど)を急激に遮断した際に発生するサージ電圧や、コンデンサを用いた力率改善装置における放電回路の設計などは、これらのエネルギー式を基盤としています。第一種電気工事士の試験では、こうした受動素子のエネルギー変換特性を正しく理解し、回路の挙動を的確に把握する力が問われています。

参考リンク

学習の記録にははてなブックマーク!

気づいたこと・覚えたことをコメントにメモしよう