令和5年度 学科試験 問14 解説 配線用部品の用途
写真に示す品物が一般的に使用される場所 は。
- イ. 低温室露出場所
- ロ. 防爆室露出場所
- ハ. フリーアクセスフロア内隠ぺい場所 ✓ 正答
- ニ. 天井内隠ぺい場所
解説
写真に示された機器は、OAフロア(フリーアクセスフロア)内に敷設される電源配線用の「分岐コネクタ」です。見た目がプラスチック製の箱型で、端子台が内蔵されており、ワンタッチで電線を接続できる形状をしているのが特徴です。この機器は、床下という限られた空間で電源を効率よく分岐させるために設計されています。
分岐コネクタの特性と用途
この機器は、主にオフィスビルの床下で利用されます。オフィスには多くのOA機器が設置されますが、レイアウト変更に応じて電源の供給位置を変える必要があります。そのため、あらかじめ床下に電源の幹線を回しておき、このコネクタを用いて必要な場所にコンセントを増設できるようになっています。
重要なのは、これが「隠ぺい場所」で使用されることを前提とした構造である点です。フリーアクセスフロアは、床板(パネル)を剥がさない限り内部が見えない状態になるため、電気設備技術基準においても、この種の接続部には点検が容易で、かつ安全に配慮された専用のコネクタを用いることが規定されています。
誤答を避けるための判断基準
この問題を解く際のポイントは、形状と設置場所の「相性」を考えることです。
・低温室や防爆室は、極めて特殊な環境です。低温室であれば耐寒性や結露対策、防爆室であれば火花が出ない構造や気密性が求められます。写真のプラスチック製コネクタにはそのような過酷な環境に耐える設計(防水や防爆構造)は見当たりません。 ・天井内隠ぺい場所は、一般的にVVFケーブルなどが直接配線されるか、ジョイントボックスを用いて接続されます。フロア用コネクタを天井裏で使うことは一般的ではありません。
このように、消去法で考えても、本機器がフリーアクセスフロア内の電源供給用であるという用途が最も合理的であると導き出せます。
現場における意味合い
第一種電気工事士の試験では、ただ機器の名前を覚えるだけでなく、それが「どのような場所に設置されるのが適切か」という施工のルールが問われます。このコネクタは、現場において作業のスピードアップとメンテナンス性の向上に大きく寄与するものです。
床下の隠ぺい配線は、一度閉じると確認が難しいため、接続不良が起きると大規模な改修が必要になります。そのため、確実な接続を保証する専用のコネクタを用いることが、法規上の安全確保と実務上のトラブル防止の両面から非常に重要な知識となります。この問題は、試験対策を超えて、現場で「何をどこに使うべきか」という配線設計の基礎的なセンスを問う良問といえます。