第一種電気工事士試験 / 令和5年度 学科試験 / 問36
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令和5年度 学科試験 問36 解説 高圧受電設備の耐圧試験

最大使用電圧6900Vの高圧受電設備の 高圧電路を一括して、交流で絶縁耐力試験を 行う場合の試験電圧と試験時間の組合せと して、適切なものは。

  1. イ. 試験電圧:8625V 試験時間:連続1分間
  2. ロ. 試験電圧:8625V 試験時間:連続10分間
  3. ハ. 試験電圧:10350V 試験時間:連続1分間
  4. ニ. 試験電圧:10350V 試験時間:連続10分間 ✓ 正答

解説

絶縁耐力試験の電圧は最大使用電圧の1.5倍、試験時間は10分間と決まっています。6900Vの1.5倍を計算し、条件を満たす選択肢を選びます。

絶縁耐力試験の計算式

電気設備の技術基準の解釈では、高圧電路の絶縁性能を確認するために、最大使用電圧に一定の係数を掛けた電圧を10分間印加する試験が定められています。

計算式は以下の通りです。 試験電圧 = 最大使用電圧 × 1.5

今回の問題では、最大使用電圧が6900Vですので、以下の計算を行います。 6900V×1.5=10350V6900V \times 1.5 = 10350V

したがって、試験電圧は10350Vとなり、試験時間は規定通り10分間となります。この計算と時間のセットを暗記しておくことが、合格への最短ルートです。

規定の背景と重要性

なぜ1.5倍なのか、そしてなぜ10分間なのかという点には、電気設備が日常的に受ける電圧変動や、経年劣化に対する安全マージンが関係しています。

高圧受電設備は、通常の使用状態よりも高い電圧が瞬間的にかかる「サージ」や、経年による絶縁物の劣化に耐えなければなりません。絶縁耐力試験は、その設備が商用周波数の電圧に対して十分な絶縁性能を維持しているかを、竣工時や定期点検時に物理的に証明する非常に重要なプロセスです。

実務においては、試験電圧が高いため、試験実施中に絶縁破壊を起こすと設備に大きなダメージを与えてしまいます。そのため、試験前には絶縁抵抗計(メガー)を用いて絶縁状態を事前確認し、問題がないことを確認してから耐圧試験機(耐圧試験器)を接続するのが手順です。

現場で求められる判断力

この知識は、試験の合格のためだけでなく、実際の現場で試験計画を立てる際に不可欠です。

例えば、試験対象が高圧ケーブルなのか、変圧器なのか、あるいは受電設備一括なのかによって、試験の準備や注意点は異なります。特に「一括して試験を行う」という文言がある場合は、対象機器の中で最も絶縁性能が低い部分を考慮する必要があります。もし高圧側の機器を一括で試験するのであれば、最も低い耐力を持つ機器に合わせて試験電圧を設定しないと、試験そのものが原因で機器を破壊してしまうリスクがあるからです。

第一種電気工事士試験では、このような計算問題だけでなく、試験実施時の保安規則や安全対策についても問われることがあります。計算値そのものを導き出す能力はもちろん、「この試験はどの程度の負荷を機器にかけるのか」という感覚を養うことが、将来的に現場で安全に作業を行うための基礎教養となります。

参考リンク

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