令和5年度 学科試験 問42 解説 ケーブル端末処理工具
②の端末処理の際に,不要なものは。
- イ.
- ロ.
- ハ. ✓ 正答
- ニ.
解説
この問題は、提示された4つの工具が「高圧ケーブルの端末処理」という特定の作業に対して適切かどうかを判別することで解くことができます。
各選択肢の工具の役割
この問題で問われているのは、高圧ケーブルの端末処理という特殊な工程において、どの工具が何に使われるかという知識です。
イはラチェット式ケーブルカッタです。太い高圧ケーブルを少ない力で切断するために使用される、ケーブル工事の定番工具です。 ロは電工ナイフです。ケーブルのシース(外装)や絶縁被覆を剥ぎ取る際に必須となります。 ハはパイプカッタです。主に銅管や塩ビ管などの金属・樹脂パイプを回転させて切断する工具です。ケーブル自体を切断する構造にはなっておらず、今回の目的には適合しません。 ニは電熱式ストリッパです。高圧ケーブルの厚く硬い被覆を、熱で柔らかくして剥ぎ取るために使用されます。
なぜパイプカッタが選ばれるのか
試験におけるこの種の問題は、現場での実践能力を問うものです。端末処理には、ケーブルを切る、被覆を剥く、熱で加工するという一連の工程があります。
思考プロセスとしては、まず各選択肢の工具が何を切るためのものかを特定します。
- ケーブルを切るか?(イは〇、ハは×)
- 被覆を剥くか?(ロとニは〇) このように分類していくと、ハだけが唯一の「管材切断用」であると分かります。
現場における工具選択の重要性
第一種電気工事士が扱う高圧受変電設備の工事では、誤った工具の使用は事故に直結します。たとえば、高圧ケーブルの絶縁体にパイプカッタのような刃を不用意に当てて傷をつけると、そこから絶縁破壊が発生し、重大な漏電や短絡事故を招く恐れがあります。
この問題が意図しているのは、単なる名称の暗記ではなく、工具の構造を正しく理解し、作業対象物に対して適切なものを選定できる判断力です。特に高圧ケーブルの端末処理は、絶縁性能を確保するために精密な加工が求められます。そのため、ケーブル専用の工具と汎用的な配管工具を区別できることは、電気工事士として最低限の適格性といえます。